年齢制限はほぼない!30歳以上でも受けられる公務員試験を詳しく紹介 | ASK公務員 - 個別指導/論文・面接カード添削の公務員試験対策塾

年齢制限はほぼない!30歳以上でも受けられる公務員試験を詳しく紹介

  • 2023年11月24日
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ASK公務員 編集部
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公務員試験を受験するにあたりネックになるのはやはり年齢制限ではないでしょうか。

大学を卒業してから数年間民間企業で働いていた人やフリーターだった人、何もせずに無職だった人など事情は様々だと思いますが、いずれの場合であっても、年齢制限をクリアしなければ絶対に公務員試験を受験することができません。

ですが、民間企業等で職務経験がある場合やそうでない場合であっても、意外と高齢でも受験できる公務員試験はありますので最初から無理だと諦めないでください。

ここでは学校を卒業し年数が経った人がどのような公務員試験を受けることができるのかについて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、これから公務員を目指すために勉強を始めるにあたり大切なこともお伝えします。

1 まずは年齢要件を確認し、職務経験を棚卸ししよう

30歳を超えて公務員試験を受ける場合、以下の2点を考える必要があります。

  • 受験する年度の年齢
  • これまでの職務経験

受験する年度の年齢というのは非常に重要です。なぜならすべての公務員試験では年齢制限を設けているからです。

例えば、要項で受験資格が「昭和63年4月2日〜平成9年4月1日生まれの者」とあった場合は、受験する年度において21〜30歳の人でなければ受験することができない、ということがわかります。

特に大卒程度(事務)試験では、受験要件はほぼ年齢だけですので、兎にも角にも年齢の要件をクリアしなければなりません(中には大学や大学院卒業しているという学歴要件が課されている試験もあるので必ずチェックしてください)。

ただし、最近では、職歴がなくても30歳以上でも受験できる試験が非常に増えてきており、公務員を目指すチャンスが広がっています。

30才以上で受験できる試験については後述する年齢制限の上限が高い公務員試験で詳しく紹介していますので、お住まいに近い自治体や興味のある試験について確認してみましょう。

民間企業等で職歴がある場合は、次の2で紹介する経験者採用試験も検討してみましょう。
※ここでの「職歴」は必ずしも民間企業や正社員でなくても受験できる場合がありますので、諦める前に確認してください。

2 民間企業等で経験がある場合は経験者採用枠も検討してみよう

年齢制限が緩和される傾向にあるとはいえ、希望する試験の年齢要件を満たさない場合もあるでしょう。

そうした場合、「経験者採用試験」の受験を検討してみてください。

最近は民間企業等で経験を有する人を採用する経験者試験(社会人採用試験・キャリア採用試験などともいいます)が増加しています。
民間企業「等」となっているのは、民間企業だけでなく他の公務員や海外青年協力隊として働いていたという経歴も含まれるためです。

そして、経験者採用試験の場合、「1つの職場で○年以上」といった勤続年数の条件があります。この要件を満たさなければ受験することができないのでよく確認しておきましょう。

例えば特別区の経験者採用試験では以下のように定めています(令和5年度試験)。

民間企業等における業務従事歴が下記の年数以上(平成30年3月31日現在)ある人
【1級職】4年
【2級職(主任)】8年
【3級職(係長級)】12年

また、必ずしも正社員でなくても、例えば派遣社員やアルバイトであっても週に何十時間以上働いていたという条件をクリアすることができれば受験資格があるとみなされるケースもあるため、「正社員で働いた経験がない」と諦める前に、必ず志望する自治体のホームページで受験案内を確認してください。

例として、横浜市の場合では、以下のように定めています(平成29年度試験)

【職務経験について】
・「民間企業等における職務経験」には、会社員、自営業者、アルバイト、パートタイマー、公務員等としての経験が該当します。また、財団法人、社団法人、NPO法人等の経験も含まれます。

通常であれば30歳前後である公務員試験の年齢制限ですが、民間企業等経験者採用であればかなり幅広い年代の人が受験できるところも多いので、民間企業等で経験がありこれから公務員への転職を考えていているのであればぜひともチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

経験者採用試験については社会人が受験できる公務員試験の内容と採用後の待遇についてで非常に詳しく解説していますのでそちらもぜひ併せてご覧ください。

3 【年齢別】年齢制限の上限が高い公務員試験

国家公務員の場合、経験者採用でないとおおむね30歳くらいまでしか受験できませんが、地方公務員は自治体によってはかなり高齢でも受験することができます。

ここでは、年齢制限の上限が30歳以上と、比較的高い試験について紹介します。

以下の表は令和5年度試験の年齢上限のまとめです。

国家公務員試験

まず、国家公務員試験ですが、地方公務員に比べると年齢上限が低めの傾向でほとんどが30歳です。(地方公務員試験の一覧はこちら)

年齢上限 実施試験
30歳 国家総合職(院卒者・大卒程度)、国家一般職(大卒程度)、国税専門官(大卒程度)、財務専門官(大卒程度)、法務省専門職員(大卒程度)、外務省専門職員(大卒程度)、防衛省専門職員(大卒程度)、労働基準監督官(大卒程度)、皇居護衛官(大卒程度)、食品衛生監視員(大卒程度)、航空管制官(大卒程度)、裁判所総合職裁判所事務官(院卒者・大卒程度)、裁判所総合職家裁調査官補(院卒者・大卒程度)、裁判所一般職(大卒程度)、衆議院総合職(大卒程度)、衆議院一般職(大卒程度)、衆議院法制局・参議院法制局
29歳 国立国会図書館(総合職、一般職(大卒))

地方公務員試験

地方公務員試験は国家公務員試験に比べて年齢上限が高めです。また近年上限緩和をした自治体も増えてきています。
大卒程度の行政系(事務系)のみで専門職は含まれておりません。また同じ自治体で異なる年齢になっているのは大卒程度と経験者採用試験など試験が異なるケースです。
※情報については変更が生じる可能性があり、かつ応募職種等によっては年齢制限が異なるため、試験前には自治体の受験案内で必ず最新の情報を確認してください。

★がついている自治体は政令指定都市です。

年齢上限 自治体名
59歳 茨城県つくば市、群馬県桐生市、岡山県瀬戸内市・真庭市、佐賀県武雄市など
45歳 茨城県つくばみらい市・常総市、兵庫県養父市、山口県下関市、徳島県三好市など
40歳 北海道滝川市、宮城県気仙沼市、栃木県宇都宮市、埼玉県和光市、東京都多摩市・国分寺市など
39歳 北海道釧路市、★山形県、山形県上山市、栃木県那須塩原市、群馬県沼田市、岐阜県(行政Ⅱ)、岡山県岡山市(事務特別枠)など
37歳 大分県竹田市
36歳 ★徳島県、東京都昭島市、北海道北広島市、静岡県伊豆の国市
35歳 ★岩手県、★宮城県、★福島県、★千葉県(一般行政B)、★山梨県、★長野県(行政A)★富山県、★静岡県(行政総合型)、★京都府(行政Ⅱ)、★和歌山県、★鳥取県、★熊本県、★沖縄県、★仙台市、★相模原市
<北海道・東北>
北海道赤平市・石狩市・室蘭市・美唄市・留萌市・根室市
岩手県久慈市・釜石市・花巻市
宮城県白石市・栗原市
秋田県能代市
山形県長井市
福島県田村市・喜多方市・相馬市
<関東甲信越>
茨城県土浦市・石岡市・小美玉市・常陸大宮市・稲敷市・板東市・潮来市
埼玉県熊谷市・和光市
千葉県勝浦市・流山市・鎌ヶ谷市・八街市・印西市・白井市・館山市・茂原市・我孫子市・鴨川市・富津市・大網白里市
神奈川県秦野市
<中部・東海・北陸>
山梨県笛吹市
長野県松本市・塩尻市・安曇野市・諏訪市
新潟県三条市・小千谷市・胎内市
岐阜県恵那市
静岡県湖西市
愛知県高浜市・岩倉市
三重県尾鷲市・鳥羽市・松阪市・津市
富山県氷見市・黒部市・砺波市・魚津市
福井県福井市・あわら市
<近畿>
滋賀県野津市・米原市
京都府亀岡市
大阪府池田市・河内長野市・摂津市・泉南市
兵庫県豊岡市・朝来市
奈良県大和高田市・葛城市
和歌山和歌山市、御坊市、田辺市
<中国・四国>
鳥取県米子市
島根県大田市
広島県安芸高田市
山口県宇部市
徳島県美馬市
香川県善通寺市・三宝市
愛媛県新居浜市・西予市・西条市
高知県土佐市
<九州・沖縄>
福岡県久留米市・筑後市・宗像市・中間市・糸島市
佐賀県伊万里市・佐賀市
熊本県阿蘇市・荒尾市
宮崎県小林市
鹿児島県枕崎市・南九州市・西之表市
沖縄県宮古島市
34歳 ★秋田県、★福井県、★大阪府、★滋賀県(行政A)、★愛媛県(一般行政A)、★高知県(行政・TOSA)、★大阪市、★岡山市(事務特別枠)
岩手県二戸市・北上市、宮城県塩竈市、秋田県湯沢市・北秋田市・仙北市、山形県山形市・鶴岡市・酒田市・村上市・尾花沢市、福島県白河市、千葉県柏市、長野県飯田市・須坂市、愛知県北名古屋市、三重県伊勢市・志摩市・桑名市、富山県南砺市、京都府福知山市、奈良県葛城市、和歌山県海南市・有田市、広島県呉市、島根県安来市、山口県山口市・防府市、香川県観音寺市、高知県宿毛市・須崎市
33歳 栃木県那須烏山市、山梨県甲州市、広島県福山市、愛媛県八幡浜市・大洲市・松山市、熊本県八代市・水俣市
32歳 ★青森県、★三重県(行政Ⅱ)、★熊本市
北海道深川市、栃木県日光市、神奈川県海老名市、山梨県中央市・南アルプス市、長野県佐久市、静岡県下田市、新潟県南魚沼市、富山県射水市・滑川市、鳥取県倉吉市、香川県高松市・三豊市、熊本県宇城市、鹿児島県伊佐市
31歳 ★東京都(Ⅰ類A)、★特別区Ⅰ類
岩手県宮古市、宮城県気仙沼市、山形県米沢市・天童市、栃木県鹿沼市、埼玉県加須市、東京都八王子市、山梨県大月市、新潟県糸魚川市、静岡県下田市、大阪府大寝屋川市、鳥取県倉吉市、岡山県倉敷市・真庭市・備前市・笠岡市、香川県高松市、熊本県宇城市・菊地市、大分県豊後高田市、鹿児島県曽於市
30歳 ★北海道(一般行政A)、★埼玉県、★千葉県(一般行政A)、★神奈川県(行政・秋季チャレンジ)、★新潟県、★岡山県、★横浜市、★静岡市、★名古屋市、★京都市(行政一般方式)、★岡山市(事務一般枠)、★北九州市(行政特別枠・総合・行政Ⅰ)、★福岡市(行政特別募集)
<北海道・東北>
北海道釧路市・北斗市・北見市・登別市・旭川市・網走市・夕張市
青森県むつ市・十和田市
岩手県大船渡市・遠野市・北上市・一関市・陸前高田市・滝沢市
宮城県大崎市
秋田県大仙市・鹿角市・男鹿市・大館市
山形県寒河江市・新庄市
福島県伊達市・郡山市・福島市・いわき市・本宮市・南相馬市
<関東甲信越>
茨城県古河市・日立市・鉾田市・神栖市・取手市・北茨城市・ひたちなか市・笠間市・那珂市・高萩市・行方市
栃木県大田原市・矢坂市・下野市・鹿沼市
群馬県太田市、渋川市、藤岡市
埼玉県川越市・熊谷市・東松山市・飯能市・羽生市・深谷市・本庄市・戸田市・志木市・久喜市・入間市・幸手市・白岡市・ふじみ野市
船橋市・松戸市・木更津市・成田市・銚子市・佐倉市・四街道市・袖ヶ浦市・香取市・野田市・勝浦市・八千代市・市原市・東金市・旭市・習志野市・南房総市・匝瑳市・山武市
町田市・多摩市・府中市・小平市・福生市・武蔵村山市・武蔵野市
神奈川県南足柄市・綾瀬市・三浦市・伊勢原市・厚木市
山梨県山梨市・韮崎市・北杜市・甲斐市・大月市
<中部・東海・北陸>
長野県塩尻市・駒ケ根市・小諸市・中野市・岡谷市・茅野市・大町市
新潟県加茂市・佐渡市
岐阜県関市・瑞穂市・高山市・瑞浪市
静岡市伊東市・熱海市・島田市・富士宮市・三島市・藤枝市・御殿場市・沼津市
愛知県春日井市・刈谷市・西尾市・知多市・東海市・北名古屋市・豊明市・豊橋市・津馬市・碧南市・安城市・蒲郡市
三重県鈴鹿市・亀山市
石川県能美市・七尾市・羽咋市、珠洲市、輪島市
富山県富山市・小矢部市
福井県敦賀市・大野市・あわら市・坂井市・鯖江市
<近畿>
滋賀県彦根市・湖南市・高島市
京都府宇治市・京丹後市
大阪府吹田市・高槻市・茨木市・大津市・守口市・貝塚市・岸和田市・柏原市・羽曳野市・大東市・門真市・交野市
兵庫県相生市・赤穂市・加東市・南あわじ市・養父市
和歌山県新宮市
<中国>
鳥取県境港市
島根県江津市
岡山県赤磐市・総社市・井原市・浅口市・玉野市
広島県大竹市・廿日市市・尾道市・庄原市
<四国>
徳島県徳島市・阿南市・鳴門市・阿波市・小松島市
愛媛県宇和島市・伊予市
高知県安芸市・香南市
<九州・沖縄>
福岡県大川市・うきは市・朝倉市・宮若市
佐賀県鹿島市
長崎県佐世保市・平戸市・諫早市・南島原市
大分県別府市
宮崎県延岡市・西都市・日南市
鹿児島県垂水市・霧島市・志布志市・伊佐市・日置市・奄美市
沖縄県南城市

いかがでしょうか。年齢が高くても受けられる試験は、意外と多く感じられたのではないでしょうか。

ですから、自分は年齢がいってしまっているからと諦めるのではなく、一度希望する試験の受験案内を確認みて本当に受けられないかを確認してください。

4 筆記試験だけでなく面接対策はしっかりと行うことが重要!

大卒程度試験を受験するにせよ経験者採用試験を受験するにせよ、まずは筆記試験に合格しなければなりません。

基本的には教養試験と論文、面接試験はほぼ必ず課せられます。大卒程度試験を受ける場合、試験によっては専門科目が課されることも多いため、相当勉強が大変になります。

試験科目についての詳細は公務員試験に出題される科目まとめ(行政・事務系)をご覧ください。

基本的に公務員試験は難関試験に分類され、1000〜1500時間の勉強時間が必要と言われています。
もちろん、受験する自治体や職種によって必要な科目は異なりますし、もともとの知識量に左右されるので一概には言えませんが、少なくとも半年、できれば1年は勉強に集中して臨みたい試験です。

しかし、私がここで最もお伝えしたいことは、高校や大学を卒業してから数年経って受験する場合、面接試験で相当突っ込まれる可能性があることを覚悟しなければならないということです。

学校を卒業してから数年経っている場合、必ず面接でその間何をしていたのかなぜ公務員なのかということについて鋭く突っ込まれます。これについても事前に面接対策をしっかりと行うことが重要です。

  • どういう仕事をしていたのか?
  • なぜその仕事をしようとしたのか?
  • なぜ公務員になろうとしたのか?なぜこの自治体なのか?
  • やりたいことは今のところではできないのか?
  • なぜ正社員で働いていなかったのか?
  • ブランク期間は何をしていたのか?なぜブランクなのか?

など、面接官としては挙げだしたらキリがないほど質問をしたくなります。

近年、公務員試験は人物重視の傾向から、特に地方公務員試験は筆記試験よりも面接試験を重視するようになっています。筆記試験はあくまで足切り、それよりも面接で人柄を見ているのです。

そのため、こうした質問については必ず納得のいく回答を準備しておかなければなりません。

どうしても公務員試験というと「筆記試験を突破しなければ!」と考えがちですが、その先も見据えて、特に面接が苦手な方は早めの対策をすることが重要なのです。

面接試験対策については以下の動画・記事で詳しく紹介しているので、自信がない方はぜひチェックしてみましょう。

必ず抑えておくべき公務員試験の面接対策の「超」基本【解説写真付】
公務員試験の面接で聞かれる定番の質問の答え方
社会人が公務員試験の面接を突破するために重要なこと

まとめ

特に地方公務員試験は年齢制限が緩和傾向にあるため、比較的高齢でも受験が可能です。

とはいえ、最近は面接重視の傾向にあるため勉強ができるだけでは採用は難しくなっています。
しかし、筆記試験に合格しないことにはどうしようもありませんので、まずは自分がどの試験を受験できるのかを知り、勉強すべき科目を把握しましょう。

公務員試験について基本から知りたい人は公務員になりたい人必見!公務員試験の対策と勉強法を全解説で一通り解説していますので参考にしていただき、受験する試験が決まったらすぐにでも勉強を進めていきましょう。

また、短期間で合格を目指す方は公務員試験に3ヶ月〜半年の短期間で合格するために必要な戦略もご覧ください。

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