捨てるのはもったいない!公務員試験の財政学の勉強法について

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財政学は出題数もあまり多くなく、数的や法律系の科目など主要科目の勉強に追われ勉強がおざなりになる科目でもあります。
そのため、財政学を捨てるという人も中にはいますが、それはとてももったいないことです。

財政学は学習時間に対して得られる効果が高いコスパのいい科目です。
効率よく学習することで確実に得点することができるので、最初から諦めず勉強を進めるようにしてください。

1 公務員試験における財政学について

1−1 出題数

公務員試験における財政学は、「主要五科目」と呼ばれる最重要科目の中には入っていません。公務員試験受験生が「学系」と呼ぶ、いわゆるサブ科目です。

まず、財政学が公務員試験でどのくらい出題されているのか見ていきましょう。以下は平成27年度の国家公務員試験と地方公務員試験における財政学の出題数です。

国家公務員試験
・国家総合職(法律)・・・6問(選択制なので選択しないことも可能。経済学と財政学の2分野が合計で6問出題される)
・国家一般職・・・5問(選択制なので選択しないことも可能。経済事情も出題される)
・裁判所職員試験・・・10問(経済原論の問題の中で財政学についての知識が必要な場合がある)
・国税専門官・・・6問(選択制なので選択しないことも可能)
・財務専門官・・・14問(必須解答。経済原論・財政学・経済事情の3分野が合計で14問出題される)

地方公務員試験
・全国型・・・3問(必須解答)
・関東型・・・4問(選択制)
・中部・北陸型・・・3問(選択制)
・東京都庁・・・記述問題として出題(選択制。都庁は専門試験の択一試験はなし。)
・東京都特別区・・・5問(選択制)

このように、財政学はほとんどの試験で選択制として出題され、また経済原論とともに出題されることが多いこともわかります。

1−2 出題内容と頻出分野

出題内容

財政学は財政理論財政制度の2分野からの出題となります。
この2分野に加え、本試験では経済事情(時事問題でも出題される)が加えられて出題されます。

財政理論は、学者(ワグナーやマスグレイブなど)が唱えた経済論をはじめ、経済原論でもおなじみの資源分配政策や所得分配政策といったグラフを用いて理論を理解していく分野です。こちらは経済原論でも習う内容が多く含まれています。

一方の財政制度は、地方財政制度や租税制度、国債がどのような仕組みになっているのかを学ぶ分野で、たとえば、地方財政の分野は地方財政計画がどのようになっているか(歳入歳出や地方債についてなど)、租税制度においては租税原則や税の種類(法人税や消費税など)について学びます。
このあたりはどの教科とも内容が重なっていない上に深く学ぼうとすればすごく難しい分野ではありますが、公務員試験に出題される内容は限られているので、必要な部分だけ学習すればよいでしょう。

頻出分野

各試験で、どの分野が出題されやすいかというのは割とはっきりしています。

ただ、財政理論の資源分配政策、所得分配政策、経済安定化政策については、経済原論でも問われる可能性が高い分野なので、どの試験を受けるにせよしっかりと取り組むべき内容です。

財政制度については、国の予算制度・地方の予算制度それぞれについて学びますが、やはり国家公務員試験(特に一般職や国税・財務専門官)においては国の予算制度について問われ、地方公務員試験においては地方の予算制度や財政について問われることが多い傾向にあるようです。

また、裁判所職員試験においては財政学からの出題もありますが、財政理論からの出題がほとんど(つまり、経済原論と内容が重なるところ)であり、経済原論について漏れなくしっかり勉強していれば、ほぼ対応できるでしょう。

1−3 財政学は捨てるのはもったいない

1−1を見ていただければ分かるとおり、財務専門官と地方上級試験の全国型で必須解答になっているのみで、それ以外は選択式となっています。
財政学は前述の通り受験生の中ではサブ科目としての扱いであり、選択制のところがほとんどですので重要視されていないイメージですが、ほとんどの公務員試験受験生は財政学を勉強しています。
もし自分は財政学を捨てるという気持ちであるのであれば必ず勉強してほしい科目です。
なぜなら財政学は非常にコスパのいい科目だからです。

財政学は各試験を見てもらえれば分かるように、経済原論や財政事情と一緒に出題されることが多く、財政学の問題であっても経済原論の知識で解ける場合もあります。

財政学は、経済原論の内容とかなり関わりが深く、内容自体が経済原論とかぶっている部分もあり、たとえば、財政理論(従量税と従価税など)、資源配分政策(公共財、外部効果など)、経済安定化政策(乗数効果、財政金融政策、ビルトイン・スタビライザーなど)の範囲がそうです。
経済学を勉強しない受験生はほとんどいないと思いますので、選択科目で財政学を選択すれば、効率よく試験勉強を進めていくことができます。

また、財政学には経済事情という分野も出題される場合もありますが(たとえば、一般職試験では財政学・経済事情という科目名になっています)、これは国や地方の近年の財政事情(一般会計や特別会計など)や、日本や世界の経済状況について問われる分野です。
この分野は、教養試験で出題される時事の分野と重なっており、財政事情について勉強することで、時事の対策にもなります。
教養試験で時事は各試験で3問前後出題されるため、時事である程度得点することは、教養試験の点数を安定させるためにも大事です。

さらに、日本や世界の経済状況についてある程度知識を得ておくことは、筆記試験後の面接やグループディスカッションの対策にもなります。

このように、財政学は経済原論、時事問題で勉強する分野と重なる部分が多く、さらには二次試験対策にもなるという非常にコストパフォーマンスが良い科目であるといえます。

また、内容としても法律系や経済学に比べて難しいものでもなく、暗記で対応できる内容がほとんどなため、ぜひ財政学はしっかりと勉強していただければと思います。

2 財政学の勉強法

財政学は前述の通りコスパのいい科目であり、短時間の勉強で得点することができます。公務員試験は科目数が非常に多いため財政学にあまり時間を使うことはもったいないです。
そこでここではより効率的に得点するための勉強法をお伝えしますので、これから学習を進める方は参考にしてみてください。

2-1 他の科目と関係する部分に注目しよう

効率よく学習を進めるポイントは、財政学が他教科と内容が重なる部分が多いという性質を踏まえ、時事や経済原論を勉強するときにも財政学のテキストや問題集も併せて確認しながら勉強するということです。
つまり、経済原論や時事の勉強をしっかり行うことがそのまま財政学の対策になります。

しかし、たとえば時事は年明けから「速攻の時事」を使って暗記していく受験生が多いと思いますが、速攻の時事は国の一般会計などの予算の詳細についての情報が若干不足していると、個人的には感じていました。
私自身が受験生の時は、速攻の時事を見ながら予備校からもらった経済事情のレジュメも照らし合わせながら勉強を進めていくことで、情報の補完を行っていました。

内容が重なる部分が多いということから、それを意識して勉強するかしないかでは頭への入り方も違ってくるかと思います。ぜひ他の科目を学習するときには財政学との関係性を意識してみてください。

2-2 勉強を始めるのは年明けからで十分

非常に学習のコストパフォーマンスが良い財政学ですが、いつから勉強をスタートするべきか悩んでいる人も多いかと思います。

個人的には年明け、つまり受験する年の一月以降から勉強を始めるのがおすすめです。よく言われることですが、やはり年明けまでは主要五科目をしっかり固めることの方が大切であり、特に経済原論にしっかり取り組むことで財政学の対策にもなるからです。

経済原論と重ならない範囲はほとんどが暗記で対応できるため、1~2月ごろから本試験まで、過去問に繰り返し取り組めば十分です。

また、経済事情(国の予算等)については、年が明けてからでないと参考書なども発売されません。そのため、勉強がよっぽど進んでいる場合はともかく、財政学に本腰を入れるのは年明けからで良いでしょう。

財政学は短期集中で効率よく勉強し、高得点を目指しせる科目です。経済原論が苦手な方も、財政学の中でも財政制度や経済事情などの分野はしっかり暗記をすれば得点できるため、暗記する分野については繰り返し過去問集を解いたり、参考書を読み込んだりして、確実に取れるようにしましょう。

2−3 財政学の記述試験は解けそうなら選択する

財政学の専門記述は、財務専門官と東京都庁の記述試験で選択できます。実際に財政学を選択する受験生は多いのか、なんとも言えないところではありますが、少なくとも財務専門官試験では、財政学を選択する人は少ないイメージです。

ちなみに、昨年の財務専門官試験での財政学記述では、プライマリーバランスについてでした。プライマリーバランスは、経済原論で少しは触れるものの、応用分野ですので詳しくは説明できない受験生が大半だと思います。特に、経済原論を苦手としている人にとっては難しいでしょう。
昨年で言えば憲法をはじめとする法律科目や経済原論(特に経済原論は簡単だったようです)が書きやすいことは間違いありません。

一方で、東京都庁は「マスグレイブの財政の三機能について、具体例を挙げながら説明せよ」という、暗記していれば確実に解ける問題であり、かつ過去にも出題された論点でした。
都庁の過去問を見ていると、財政学は過去問の使いまわしも多々あり、論点もそこまで多くはないため、取り組みやすい印象を受けました。都庁の財政学記述は、過去に出た論点だけでもおさえておくといいかもしれません。

こうしたことから、記述対策としては憲法や経済原論を選択するというのが一般的ですが、難しくて解けなかった場合の保険として苦手じゃなければ(または経済原論が得意ということであれば)学習しておく、程度にとどめておけば良いかと思います。

3 まとめ

財政学は他の科目と重複している部分が多く内容も難しくないため、少しの努力で得点できるおいしい科目です。ですので、なるべく捨てず、そして効率的に学習するようにしましょう。

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