甘くない!民間から公務員に転職する前に知っておきたいこと

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現在民間企業で働いている社会人の方で公務員になりたいなーとなんとなく考えている人も結構いるかと思いますが、意外と「公務員=楽」だと思われているようで、今の職場がきついから楽な公務員になりたい、と思っている人もいるのではないでしょうか?

まず、公務員の仕事は楽だと思っている人が知っておくべきことでも書いていますが、「公務員=楽」という考えは捨てたほうがいいでしょう。

ここでは公務員に転職するにはどうすればいいか、また公務員になることは果たしていいものなにかについて知っておきたいポイントについて書いていきますので、公務員への転職を考えている人は参考にしてください。

1.キャリアがある人は経験者採用試験を受験してみよう

最近はどこの自治体でも即戦力のある人材を確保しようと経験者採用を積極的に行っている傾向にあり、私の働いていた特別区でも経験者採用で入庁してきた人が多く、同期でも2割ぐらいが経験者採用でした。

特別区は2級職の場合、民間企業等で4年以上働いていれば経験者採用として受験できるので、経験者採用の人は若い人だと20代後半で受験することができます。ちなみに、特別区の場合、経験者採用は他に3級職(主任主事1)、3級職(主任主事2)という枠があり、それぞれ8年、13年と入庁時に最初からに主任として活躍するため2級職よりも長い経験が必要となります。

また、東京都の場合はキャリア活用採用というものがあり、院卒であれば5年、大卒であれば7年以上の経験があれば受験することができ、さらに年齢制限も59歳とほぼ制限は無いに等しいためチャンスは相当あるといえます。ただし、東京都は資金運用や財務、システム開発など選考区分によって求められるスキルがあるため、民間での経験があれば誰でも受けられるものではないという注意点があります。

国家公務員試験でも経験者採用試験が実施されており、事務職(係長級)であれば大学卒業後、正社員として2年以上の民間企業や官公庁での勤務していれば受験することができます。
国家公務員の経験者採用試験は他に外務省、国税庁、農林水産省など各省庁において採用試験が実施されており、求められる経験や年数も異なるため事前にホームページで確認するようにしておきましょう。
(参考:http://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/keikennsya/top_keikennsya.html

このように地方公務員、国家公務員関わらず民間企業で培った企画力や専門性を求めるところも多く、即戦力を求めている傾向にあります。

また、経験者採用は通常の採用試験よりも論文試験や面接試験が重要視される傾向にあり、通常の試験で課せられる教養試験や専門試験がない(もしくはどちらかのみだけ)自治体もあるため論文と面接対策をしっかりと行えば合格する可能性が高くなる可能性があります。
例えば、国家公務員試験の場合は1次試験として教養試験と経験論文試験というものがあり、勤務経験に関する論文(最も困難だった業務や志望動機など)により十分な職務遂行能力があるかが判断されます。

経験者採用試験の注意点としては、民間での経験があれば誰でも受けられるものではなく、経験者採用試験の場合、民間企業や官公庁での経験が何年以上必要という条件があり、自治体によっては一つの職場で1年以上経験が必要(つまり短期間で辞めた場合はカウントされない)といった細かい条件も設けている場合もあります。

そのため経験者採用試験を受けようと考えるのであれば、受験要項から条件をよく確認し、そもそも自分が受験できるかどうかをチェックしましょう。

もし、あなたが民間での経験が数ヶ月〜1年など短期間であれば経験者採用試験を受けられる可能性は低く、通常の新卒者と同じ試験を受験せざるを得ないでしょう。

2.働きながら受験する人はとにかく勉強時間を確保しよう

通常、公務員試験は上記のとおり教養試験と専門試験があり、論文試験や面接試験も実施されます。
行政系(事務職)であれば以下の科目が出題されます。(試験科目の詳細は公務員試験に出題される科目まとめ(行政・事務系)を参考にしてください)

■教養試験
【一般知能分野】
・文章理解(現代文・古文・英文)
・判断推理
・数的推理
・資料解釈
【一般知識分野】
・社会科学・・・政治、経済、社会、法律
・人文科学・・・日本史、世界史、地理、思想、文学・芸術
・自然科学・・・数学、物理、化学、生物、地学
■専門試験
【行政系科目】政治学、行政学、社会学、社会政策(労働経済・社会保障)、国際関係、社会事情など
【法律系科目】憲法、行政法、民法、商法、刑法、労働法、国際法など
【経済系科目】経済原論(ミクロ経済学・マクロ経済学)、経済学、財政学(公共経済)、経済政策、経済学史、経済史、経済事情、統計学、計量経済学、国際経済学など
【商学系科目】会計学、経営学
【その他】英語、教育学、心理学など

経験者採用枠であれば筆記試験が免除される場合もありますが、そうでない場合は教養試験と専門試験について20科目以上もの勉強をしなければなりません。

もちろん全ての科目を学習する必要はなく、受験する試験によって科目や出題数が異なるため、併願状況などを見極めながら選択科目を決めて学習を進めていく必要があります。

民間から公務員への転職を考えている人は、特に経験者採用枠でない場合、これらの科目を仕事をしながら勉強しなければならないということが最も大変でしょう。

公務員試験に合格のための必要な勉強時間は1000〜1500時間といわれています。
これは1年間勉強するのであれば単純に1日3〜5時間程度の勉強が必要となります。そのため、民間企業に勤めながら勉強している人の多くは、平日は2〜3時間、休日は8時間というように休みの日にまとめて勉強をする傾向にあります。

現在の職場によっては残業の有無により確保できる時間が大きく変わってくる人も多いでしょう。毎日終電近くまで残業の方や、普段は定時近くに帰れるけれど繁忙期は遅くなるなど、普段勉強時間をどれくらい取れるかは様々だと思います。

もちろん、今の職場を辞めて勉強に専念することができればいいかもしれませんが、収入の面などを考えるとなかなか難しい人も多いでしょう。そうなると普段から「いかに勉強時間を確保するか」が重要になります。

毎日の生活を振り返ると、ボーッとしている時間や無駄にネットをしている時間が多いことに気がつくかと思います。働きながら合格を目指すためには、まずは無駄な時間を全て勉強にあてるぐらいの気持ちが必要です。

スマホでダラダラとゲームをやったりテレビを見てしまったりと意外と無駄に時間を使っしまっている人も多いかと思います。
例えば1日30分、そうした時間を勉強にあてると平日の5日間で2時間半にもなります。それが1ヶ月で10時間にもなるため意外とこうした時間は無駄にはできません、

また、私は電車での勉強は非常に集中できるため強くおすすめしており、通勤での電車だけでなく待ってる時間も有効活用することを伝えています。(電車での勉強については隙間時間を活用!電車内は最高の勉強場所であることを知ろうを参考にしてください)

このように、働きながら合格するためにはいかに「すき間時間」を有効活用するかにかかっているといえるでしょう。

3.公務員はノルマがないから楽という発想は捨てよう

公務員はノルマがないしクビにならないから楽だ、という意見をよく聞きます。

確かに公務員には民間企業のように売上のノルマや営業目標というものは存在しません。
民間企業はお客様のために、そして最終的には企業の利益のためにサービスを提供します。ですので、利益につながらないことはやらないですし、利益をもたらさない者(社員)は首切りに合うというイメージがあります。

対して公務員(行政)というのは国民や住民に対し公平にサービスを提供することを目的とし、言ってしまえばカネにならないことでも住民にとって必要なものであれば事業として行います。なので、民間と違いお金を出してくれる人にだけサービスを提供するのではなく、すべての必要な人にとって公平にサービスを提供することができるので、本当に国民や住民に役立つことだけをすることができるというメリットがあります。

しかし、その「公平」にサービスを提供するというのが厄介で、ある住民に対し「本当に困ってるから自分はこの人に対しこうしたい」ということがあるとしてもそれは許されないのです。
特定の人を特別扱いすることは「公平」ではないからです。そして決まり文句としては「それをやってしまうと他の人にも同じことをしなくてはいけなくなる」です。

つまり、住民のためと言いつつも、公平に扱う必要があるので、「これは決まりですので」と何もしてげられないジレンマに陥ってしまいます。それが住民にとっては「杓子定規」だの「融通が利かない」だの言われる所以なのです。

ですので、現在サービス業や営業などをしている人は相手に喜んでもらえるためにどうすればいいいかを研究している人も多いかと思いますが、そうしたことができないということは割り切る必要があり葛藤に悩む人も多いです(もちろん窓口や電話で気持ち良く対応するということはできますが)。

このように公務員はノルマがないから楽だという印象があるかもしれませんが、逆にそれが職員にとって本当にいいサービスを提供できているかというと全くそうではなく、そうしたことがクレームなどにつながるという現実があります。

そして、果たしてあらゆる民間企業のあらゆる仕事にノルマが課せられているかという点についても全くそうではなく、ノルマが嫌だから公務員を目指す、という人はもう少し広い視野で他の企業や仕事についても調べてみることをおすすめします。

4.仕事自体も決して楽ではない

多くの人が「民間はきつい。楽な公務員になりたい」という声をよく聞きますが、先述したとおり公務員の仕事は決して楽ではありません。

2ちゃんねるなどの掲示板でも民間から公務員になったらめちゃくちゃ楽!とかいうスレッドもあったりしますが、入ったばかりで決めるのは早計過ぎるでしょう。

というのも公務員と一口にいっても部署によって仕事内容も業務量も全く違います。普段目にする窓口業務などは無数にある中の一つの仕事に過ぎず、通常は3年ぐらいのスパンで職場の異動が行われます。

思いつくものとして住民票や戸籍完成の業務、生活保護、年金や税金関係といったところでしょうか。
これらは窓口職場であるため目につきますよね。そのため公務員というとこれらのイメージがあるかと思いますが、前述したとおり多くの仕事の一部に過ぎません。

ちなみに、これら窓口職場はそれだけ住民と多く接することや、不満を持って訪れる人が多いため罵声を浴びせられたりいちゃもんをつけられることは日常茶飯事です。なので、公務員になる人はまず「メンタルの強さ」が求められることを知っておく必要があります。

こうした窓口業務以外にも、管理や政策系の仕事があります。
公民館や保育所、学校など公共施設の管理や、公園や緑地の整備、まちづくり計画の企画・立案、観光対策、保健や福祉サービス(高齢者、障害者など)の充実、広報、人事、財政など上げればキリがありませんが、すべての職場を経験することなど不可能なほど数多くありどこに配属されるかは入庁するまでわかりません(技術職など特定の専門分野で採用されればある程度の予想はつきます)。

窓口業務以外の部署は、「何時まで受付」というものがないため、いくらでも忙しくなる傾向があります。
企画系などは花形部署のような扱いを受けることが多いですが、内部は資料作成に追われ連日の残業や休日出勤も十分にありえます。

そして、経験者採用となると通常の新卒採用に比べ責任の重い仕事を任されるのが一般的です。

そうすると当然業務量が増えることで残業もせざるを得なくなります。

予算関係の仕事に携わると帰れないこともありますし、部課長とのやりとりも増えることで必要な説明資料の作成も増えてくるので、どうしても業務量は多くなりがちです。もちろん部署によっては連日深夜まで残業で、残業代もほとんど出ないというところだってあります。

ただし、民間時代に激務な会社で働いていた人にとっては公務員の忙しさは大したことはないかもしれないですし、忙しくても(薄給ですが)給料が保障されているという面では魅力的かもしれません。

ですので、公務員の仕事は決して楽ではないですが、安定性を考えるとやはり転職するだけの価値はあるかもしれません(もちろん給料面だけでなく仕事内容についても十分検討する必要はあります)。

5.やる気のある人にとってはモチベーションが下がることも多い

民間でバリバリやってきたという人は公務員の意思決定の遅さには不満を覚えるかもしれません。

公務員は何をするにも決裁がマストなので、上司や他の部署にお伺いをたてなければいけないためスピードは遅くなりがちです。(ペン1本買うのにも決裁が必要です)

大企業であれば同じようなシステムかもしれませんが、そうでないところで働いてた人にとっては「何をちんたらやってるんだ」と思うかもしれません。

また、文書主義であることからやたらと資料作成をする機会があり、これも「なんでこんなの必要なの?」と思う人もいるでしょう(わたしもよく思ってました)。

公務員の世界では言った言わないということを避けたいために何事も文書で残すのですが、これはとてもまどろっこしいと感じたものです。でもやっぱり必要なのでやらないといけないわけなのです。

そして仕事も民間企業とは違い利益を追求するものではなく「仕事のための仕事」が多いので、「やりがい」の部分でが民間のほうがあるのでは、というのが正直なところです。

さらに年功序列という制度から、必死にやっても結局はある程度キャリアを積まないと給料アップはしないですし、先輩職員のやる気のなさや仕事をたいしてしてないのに高い給料をもらっている職員を見るとバカバカしく感じてしまい仕事へのモチベーションが下がってしまうか可能性があります。

特にやる気のある人にとってはこの辺りが妥協できるかがポイントになってくるのではないでしょうか。

ですが、人は人なので、自分がなんとしても達成したい部分と妥協できる部分を考えることが民間から公務員への転職をする上で大切なことです。

民間企業から転職する場合は必ずイメージや憧れで公務員を目指すのではなく、具体的にどのような仕事をしているのかについてしっかり調べましょう。人によっては民間とのギャップが大きすぎて再び転職を考える人がいるのも事実としてあります。

決して、楽だから公務員、ではなく「◯◯をやりたいから公務員」という意思があると転職しても満足できるかと思います。

6.まとめ

思っていたよりも公務員も大変だなと感じたかもしれません。世間で言われているような公務員像はもはや過去のものとなっています。
そして、公務員への転職のためにはまずは公務員試験に合格しなければなりません。
様々なメリット・デメリットがあることは理解できたかと思いますが、本気で公務員への転職を考えている方は、公務員になりたい人必見!公務員試験の勉強方法について全解説!を参考に勉強を進めてみてはいかがでしょうか。

また、年齢について気になる人は年齢制限はほぼない!30歳以上でも受けられる公務員試験はたくさんあるを参考にしていただければと思います。

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