高卒で公務員になりたい人が最初に知っておきたいことまとめ

  • 2016年7月31日
  • 2018年3月23日
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事を書いた人

アバター

中西 あきのり
ASK公務員の運営者。大学卒業後、特別区(東京23区)職員として働き、その後は民間企業で勤務する傍ら本サイトを開設。 ASK公務員は「どこよりも価値のある情報を届けたい」という考えから、分かりやすく詳しい情報を発信していくことを心がけています。現在は講座の管理・運営をしながら情報発信をしています。

高卒だけれど公務員になれるのかな?
なれるとしたらどのような公務員になれるの?
また、仕事は大卒とは何か違うの?

公務員は大卒の人がなるというイメージがあるためか、高卒の方はこうした悩みを持っている人が多いように感じます。

しかし、安心してください。高卒であっても問題なく公務員になることはできます。

大卒者と同じように国家公務員・地方公務員問わず様々な試験を受け、合格すれば職員として働くことができるのです。
それは大学中退をして結果的に高卒にしまった方であっても同じです。

今回は高卒の方(卒業予定含む)に向けて、どうすれば公務員になれるかについて解説していきますので諦める前に一読し将来の仕事選びの参考にしてください。

※ここでは受験者が多い行政・事務系公務員についてのみ触れています。
警察官・消防士を目指す方は以下の記事も参考にご覧ください。

1 高卒の人は「高卒程度試験」を受験するのが一般的

まず大前提として知っておいていただきたいことは、公務員には「国家公務員」と「地方公務員」の2種類があり、それぞれについて採用試験が行われているということです。

国家公務員は「◯◯省」のような国家機関およびその出先機関で働く職員であり、地方公務員は都道府県や区市町村で働く職員のことをいいます。
多くの方がイメージする市役所の窓口で働いている人は地方公務員ですね。

どちらを目指すにせよ、高卒の方であれば「高卒程度」の公務員試験を受験し合格しなければなりません。

「高卒程度試験」とは、試験の内容が高校卒業レベルのものが出題されるということであり、必ずしも高校卒業している必要はなく。極端な話、年齢制限さえクリアすれば中卒の人でも受験することができることが多いです。

ここでは国家公務員、地方公務員それぞれにおいてどのような試験を受けることで公務員になれるのか以下で詳しく説明していきます。

なお、高校を卒業して3年以上経過している方や、ある程度仕事でキャリアを積んでいる方が年齢的に高卒程度の試験が受けられない可能性があります。
その際は公務員になりたい人必見!公務員試験の対策と勉強法を全解説をご覧ください。

2 高卒程度試験を受けるときは年齢制限に注意

高卒程度試験を受ける際は年齢制限に注意しましょう。

公務員試験は年齢制限をクリアしないとそもそも受験することができないので、必ず受験案内を確認することが重要です。

普通に高校を卒業したばかりの方が受験する際は全く問題ないのですが、高校を卒業して数年経過している方や、ある程度仕事でキャリアを積んでいる方は高卒程度試験を受けられない可能性があります。

例えば国家一般職の高卒枠の場合、受験資格として以下のように定められています(平成28年度試験)。

平成28年4月1日において高等学校又は中等教育学校を卒業した日の翌日から起算して2年を経過していない者及び平成29年3月までに高等学校又は中等教育学校を卒業する見込みの者

前半部分を要約すると「受験する年において高校または中学を卒業して2年以内であること」ということになります。
そのため、あなたが高校または中学を卒業して3年以上経ってしまった場合、高卒程度試験を受けることができないのです。

また、東京都では以下のように明確に年齢の条件を決めています(平成28年度試験)。

平成7年4月2日から平成11年4月1日までに生まれた人

17歳から21歳の人しか受験できないということが分かります。つまり、想定する受験者としては高校卒業見込者や高校を卒業して3年以内ぐらいの人だと推測され、表現は違えど国家公務員と同様だと言えます。

東京都に限らず、どの自治体でもこのような年齢制限を設けていますんで、高校卒業して数年経った方は事前に確認をしましょう。

高卒程度試験が受けられない人は大卒程度試験や経験者採用試験を検討しよう

では、高校卒業して5年くらい経ってしまったという方や、高卒でずっと働いてきたという人は公務員になれないのかというと決してそのようなことはありません。

高校を卒業して社会人経験がない方は「大卒程度試験」の受験を検討してみましょう。

年齢制限については大学を卒業し数年経過した人も考慮されているため30歳前後まで受験できるところが多いですが、最近では年齢を引き上げている自治体も多く年齢制限が59歳と実質撤廃しているようなところもあります。
どうしても公務員になりたい!という気持ちがあればチャレンジしてみることをおすすめします。(詳細は年齢制限はほぼない!30歳以上でも受けられる公務員試験はたくさんあるをご覧ください)

大卒程度試験を受験する際の注意点としては、筆記試験で専門試験が課せられることが多いということです。
専門試験とは法律や経済など大学で学ぶ専門的な内容について問われるものであり、難易度は高卒試験に比べかなり高くなります。

当然、勉強時間も多く必要となりますので辛抱強く学習を続けられるかがポイントとなるでしょう。

大卒程度試験を検討している方は公務員になりたい人必見!公務員試験の対策と勉強法を全解説でどのような試験でどうやって勉強を進めていけば良いか詳しく解説しているので参考にしてください。

また、高校卒業してから正社員なりバイトなりで数年以上の就業経験がある方は経験者採用試験(社会人試験)を受験することも可能です。

この試験は、数年間の就業経験があれば受けられる試験であり、民間企業等で培った経験やスキルを業務に生かすために即戦力として採用するものです。

試験の特徴としては教養試験以外の論文や面接試験が重視される傾向にあり、中にはプレゼンテーションを行う自治体もあります。
大卒程度試験に比べ筆記試験のウェイトが軽い分、人物重視の試験となりますのでいずれにせよしっかりとした対策が必要です。

経験者採用試験については社会人が受験できる公務員試験の内容と採用後の待遇についてをご覧ください。

以下では、高卒程度試験を受ける場合、どのような試験が実施されるのか説明していきます。

3 国家公務員を目指す場合

国家公務員になって国の機関で働きたい!と考えている方は国家公務員試験を受験する必要があります。
高卒の方であれば、国家公務員一般職試験(高卒者試験)や税務職員、裁判所職員一般職などを受けるのが一般的です。

試験は一次試験と二次試験が行われ、一次試験の合格者だけが二次試験を受けることができ、最終的な合格はトータルの得点で決定されます。

国家公務員一般職試験の試験内容は以下のとおりです(平成28年度)。

一次試験

①基礎能力試験(択一式)
②適性試験(択一式、事務のみ)
③作文試験(事務のみ)

二次試験

①人物試験(個別試験)
※人物試験の参考とするため性格検査が行われる

国家公務員一般職の試験の場合、一次試験と二次試験に合格し、その間に行う官庁訪問により志望する省庁から最終的に内定をもらうこととなります。
それでは、それぞれの詳細について以下で説明していきます。

3-1 基礎能力試験

公務員試験でまずクリアしなければならず難しいとされるのが、一次試験で課される筆記試験です。
国家公務員試験の場合は「基礎能力試験」という名称ですが、要は教養科目といわれるもので地方公務員でも同様の試験があります。

高卒程度では事務系の場合、教養科目だけの出題となりますが、科目数が多いため対策が大変です。まずはこの基礎能力試験に合格するために勉強を進めていかなければなりません。出題科目は以下のとおりです(国家一般職試験の場合)。

koppan-kousotu
国家公務員一般職試験ではこれらの科目が全問回答となっているため、満遍なく勉強しなければなりません。
他の試験を受験するにせよ、科目や出題数はほぼ変わりません。ですので、これらの科目についてしっかりと対策をしなければならないおです。

とはいえ、苦手な科目を1問や2問のため一から勉強するのは効率が悪いため、頻出分野だけを集中してやったり、出題が少ない科目は思い切って捨ててしまうなど戦略的に対策を進めていく必要があります。

公務員試験全般にいえることですが、筆記試験は高得点を取らなくても問題ありません。しかし、国家公務員試験は地方公務員試験に比べて筆記試験の配点比率が高いです。
そのため、高得点を取る必要はなくとも、やはり点数が低いとハンデになってしまいますので、しっかりと対策をしておくべきです。

国家一般職試験・税務職員試験では適性試験が課される!

国家一般職試験や税務職員試験を受験する場合、適性試験も一次試験で課されます。

事務職の場合、事務業務(文書の記入や清書、照合、転記、分類、整理など)を適切かつ迅速に行わなければなりません。適性試験はこうした業務の適性があるかどうかを測るために実施される試験です。

適性試験の内容は、計算、照合、置換、分類、図形把握の5パターンがあり、そのうち3パターンが10題ずつ4回繰り返され合計で120問となります。
適性試験は時間との戦いなので、市販の問題集を使いながら回答するスピードを培う訓練を行うようにしましょう。

国家一般職[高卒]・地方初級公務員 適性試験問題集 2017年度
国家一般職[高卒]・地方初級公務員 適性試験問題集 2017年度

3-2 作文試験

作文試験も一次試験で実施されます。

作文は筆記試験では分からない受験者の考え方や意欲、日常生活を見る試験となっており、人物重視となっている近年その重要性が増しています。

評価ポイントとしては文字は丁寧か、誤字脱字はないか、といった基本的なことから、分かりやすい文章になっているか、課題に合った内容になっているか、説得力があるか、など様々な基準で採点されます。

受験生の個性を見る試験とはいえ、内容が分かりにくい、読みにくい文章は採点者によい印象を与えません。ですので、こうしたテクニック的な部分もしっかりと訓練していく必要があるでしょう。

平成25年度の国家一般職試験では「社会の一員として働くということ(50分・600字)」という内容で出題されています。
作文とはいえ、それなりの思考力が必要とされる試験でありことがわかるかと思います。

作文のテーマについては、自分のことについて述べるもの、社会人・公務員として働く上で意識したいこと、社会的・時事的な課題に対しての考え、など多岐に渡ります。

どのテーマであっても、普段からやっておくべき対策は実際に手を動かして繰り返し練習することです。
スマホやパソコンを当たり前に使うようになっている現在、実際に文章を書く機会が減っており手を使って書くのが苦手な人も多いでしょう。そのような方は早めに対策をすべきです。

また、作文は自分では出来不出来がわからない科目です。ですので、本番前に一度は必ず第三者にチェックしてもらい添削してもらうようにしましょう。

3-3 面接試験について

二次試験は面接試験性格検査が行われますが、いずれも人物評価をするための試験となります。
面接試験は社会人・公務員としてふさわしい人物かどうかを見るための試験です。形式は国家一般職の場合、個別面接(受験生1人に対して面接官数人)となります。

なぜ公務員なのか、なぜその省庁を希望するのか、学生時代に取り組んだことは何か、趣味について、どのような仕事をしたいか、などが定番の質問ですので、自分の考えをしっかりと固めておかなければなりません。

性格検査はより的確な人物評価を行うために平成24年度から試験項目として追加されました。
内容としては、性格について該当するものを「はい」「いいえ」から選択することで大まかなに受験生の正確を把握するものです。性格検査については特に対策を必要とするものではありません。

逆に対策をしすぎたり、嘘をついてしまう(いい印象を与えるためにポジティブな回答ばかりしてしまうなど)と正確な結果が測れないばかりか、面接での回答と矛盾が出てしまい悪い印象を与えてしまいますので注意が必要です。

官庁訪問について

国家公務員一般職試験で採用を勝ち取るためには避けて通れないのが「官庁訪問」です。

これは地方公務員試験や他の試験にはない独特のもので、希望する省庁に面接を通じて「私を採用してください」とアピールするものとなります。
通常、一次試験の合格発表後から最終合格発表までの期間に行われます。一次試験に合格したらすぐに志望する省庁に電話をし、業務説明会への参加や官庁訪問の依頼をすることとなります。

一次試験・二次試験に合格し「最終合格」したとしてもイコール採用ではありません。
採用されるためには志望する省庁での面接(官庁訪問)もクリアしなければいけないということを覚えておきましょう。

官庁訪問についてはこれだけは知っておきたい!官庁訪問の流れと対策についての基本で詳しく解説していますので、こちらも併せてご覧ください。

4 地方公務員を目指す場合

高卒で地方公務員を目指す場合、一般的には「地方初級試験」「Ⅲ類試験」と呼ばれる試験を受験することとなります。

最初にお伝えしたように地方公務員は都道府県や区市町村で働く公務員のことを指します。そのため、各自治体が実施する採用試験を受験し、合格しなければなりません。

例えば、神奈川県で働きたければ神奈川県が実施する採用試験を、横浜市で働きたければ横浜市が実施する採用試験を受ける、といった感じです。

東京の23区においては、各区で採用試験を行うのではなく、「特別区採用試験」という23区全体の試験を受験します。最終合格したのち区ごとに面接を行い無事合格すれば特定の区に採用される、という流れになります。

試験内容については、国家公務員試験と同様に教養試験、作文試験、面接試験が課せられるのが一般的です。
ただし、自治体によって試験の内容は異なるため必ず志望する自治体の受験案内で確認するようにしましょう。

地方公務員試験は国家公務員よりも面接重視の傾向にあるため、筆記試験に合格しても気が抜けません。

これは大卒程度試験でも同様ですが、地方公務員試験のほうがより人物重視であるため、早めの面接対策をしておくことが望ましいでしょう。そして、可能な限り、第三者にチェックしてもらうことも重要です。

5 試験の日程について

最後に高卒程度試験の日程について確認しておきましょう。

高卒程度試験は、大卒程度試験が5〜7月を中心に実施されるのに対し、9月以降がピークになります。

公務員試験は日程が被らなければいくつでも併願することが可能です。とはいえ、あまりにも併願すると幅広く対策しなければならないため、計画的に併願するようにしましょう。

平成30年度試験日程

9/1(土) 衆議院事務局(一般職(高卒程度)・衛視)
9/2(日) 国家一般職(高卒者)
税務職員
9/9(日) 特別区Ⅲ類
東京都Ⅲ類
警視庁警察行政職員Ⅲ類
裁判所事務官(高卒者区分)
9/16(日) 県警(高卒)※一部
警視庁警察官Ⅲ類
9/23(日) 地方初級(高卒)
10/14(日) 県警(高卒)※一部
1/13(日) 警視庁警察官Ⅲ類

試験の日程については変更されることもあります。必ずご自身で受験案内を確認するようにしてください。

まとめ

高卒であっても公務員になれる可能性はいくらでもあります。
まずは、現在の年齢や職歴などからどの試験を受けるのかを明確にしましょう。
そして、どの試験を受けるにせよ、公務員試験は筆記試験が最初の関門となります。
難関試験と言われていますが、きちんと計画的に勉強を進めていけば必ず合格することができますので、早めに学習を進めていきましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ASK公務員では個別指導講座を実施しています

この度はASK公務員の提供する記事をご覧いただきありがとうございます。

・公務員試験の勉強の進め方がわからない
・苦手科目を対策したいけれどどうすればいいか悩んでいる
・予備校に通っているけれど一向に解けるようにならない

私たちにはこのようなお問い合わせが毎日のように届きます。

特定の科目だけ対策したい、予備校の授業についていけない、苦手な部分だけしっかりと対策したい、そうした不安を抱える方が非常に多く、このような悩みに対応できるよう「マンツーマン指導」による個別指導講座を行なっています。

現在は

・数的処理対策講座
・法律系科目対策講座
・経済学対策講座
・論文・作文対策講座
・面接対策講座

を開講し2年間で累計100名以上受講され、多くの合格者を輩出しています。

もし「これからどうやって勉強を進めていけばいいの?」と迷っている場合は、講座の詳細をご覧いただけると幸いです。

講座について詳しく見る

電話お問い合わせ