埼玉県や神奈川県で、公務員になるには?
社会人としての経験がある場合にも受けられる試験は、どのようなものがあるのでしょうか?
埼玉県の経験者採用試験は、令和7年度から春と秋の年2回実施され、一般行政は秋に行われます。
大学卒業後、民間企業などで5年以上、仕事経験のある方が受けることができます。
一方、神奈川県庁の秋季Ⅰ種(行政・大卒区分)試験は、8月に受験申込が始まります。
埼玉県庁と神奈川県庁の秋に行われる行政職採用試験の情報をお伝えしていきます!
1.「埼玉県庁で働く」とは
全国で一番市の数が多い都道府県はどこか、知っていますか?
実は、埼玉県が40市と最も多いのです。
県庁で働くというのは広域行政に携わるということであり、国や市町村、民間企業との調整など数々の業務を担うことになります。市の数が多いということは、それだけ埼玉県庁が調整し連携する対象が幅広いということです。
知事部局(企画財政部、総務部、県民生活部、危機管理防災部、環境部、福祉部など)、教育局、企業局、県税事務所など、職員の活躍する場は幅広く、一般行政の場合は警察本部以外のすべての部局が異動対象となります。
経験者で採用されると、まず「主事(技師)」又は「主任」としてスタート。
その後のキャリアアップに関しては、基本的に次のように昇任が行われます。
主事(技師)・主任 →〔主査級昇任試験または選考により〕 主査級 → 主幹級 → 副課長級 → 課長級 → 副部長級 → 部長級
2.埼玉県庁の民間企業経験者採用試験について
埼玉県庁で民間企業経験者が受験できる採用試験は、春と秋に設けられています。
ただし、同じ職種で春と秋に両方受験することはできません。
令和7年秋に行われる試験は、以下の10職種です。
一般行政、一般行政(DX)
福祉、心理、設備、総合土木、建築、農業、林業、司書
▶採用試験日程〔秋〕
受験申込期間 8月15日(金)~8月28日(木)
第1次試験 9月28日(日)
第1次試験合格発表 10月21日(火)
第2次試験 11月1日(土)~16日(日)のうち、いずれか1日
※土、日曜日、祝日に限る
最終合格発表 11月26日(水)
ここでは『一般行政』について、説明します。
一般行政は、県計画の策定や政策の企画立案、渉外・折衝等の一般行政事務(知事部局等の本庁各課又は地域機関)を担うことになります。
特定の分野での職務経験は必須とされていませんが、民間企業等での豊富な経験により培った経営感覚や、多角的な視点、優れたコスト意識などが期待されています。
▶試験内容
第1次試験
教養試験 75分 多肢択一式
論文試験 75分 900字~1,100字程度の記述式
第2次試験
人物試験 個別面接(2回)
社会性、積極性、信頼性、達成力、その他の能力など
一般行政の経験者採用試験の倍率は、令和6年度でおよそ9倍。
まだまだ狭き門ですので、しっかりと試験対策を行っていきたいところです。
教養試験については、公務員として必要な一般的知識と知能を測る試験とされており、過去の例題を見ると、社会や判断推理などの基本的な問題が出題されています。
大卒程度の設定ですので、社会科学、人文科学、判断推理、数的処理などの一般的な地方上級の公務員試験問題集を解き、要点がまとまっている参考書で学習しておくことがおすすめです。
論文試験は、少子高齢社会において地域活動の担い手不足に関するテーマが出題されていました。日頃から社会情勢に広く目を配り、課題意識を養うこと、自分の考えを字数制限の中でまとめておくようにすると良いでしょう。
人物試験に際しては、できれば模擬面接などの機会も得ておくことが望ましいです。
3.神奈川県庁の秋に行われる行政職(大卒程度)試験とは?
神奈川県庁は、秋季Ⅰ種試験〔行政〕がSPI方式などで行われます。
民間企業の就職活動を行っていると、公務員試験用の勉強をする時間がなかなか取れないということがありますが、そのような方でも受験しやすいタイプの試験が、SPI方式です。
秋季Ⅰ種の第1次試験はオンラインのみで完結しますので、遠方からでも受けることができるのも魅力です。
▶試験日程・概要
申込期間 8月29日(金)~9月12日(金)
第1次試験
人物試験(自己PR動画) 9月9日(火)~24日(水)
基礎能力検査(SPI3) 9月25日(木)~10月20日(月)
※このうち、指定される3週間程度
※性格検査も受検する必要があります。
第1次試験合格発表 10月31日(金)
第2次試験
論文試験 10月31日(金)~11月10日(月)
人物試験 11月21日(金)~12月10日(水)
第2次試験の人物試験では、個別面接(1回)にプレゼンテーションを含み、そのほかに、グループワークがあることが示されています。
倍率では、令和6年度の秋季Ⅰ種採用試験がおよそ8.1倍。
夏に行われる1種試験の2.8倍(令和6年度)と比べると、公務員試験に特化した勉強をしなくても受けやすいタイプの試験であるために、やはり高い倍率となってきます。
過去のグループワークでは、歩きスマホの問題について、条例による規制も含めて実効性ある行政の取組を話し合うという課題が出されています。
全般を通して言えることですが、現代社会の課題を身の回りの問題から国、都道府県の抱える問題までつねに関心をもち、自分が自治体職員になったときに都道府県行政として、どういった取組をしていくべきか考える習慣をつけておくことが求められます。
※参考※
また、神奈川県庁においても、経験者で31歳から61歳まで受験できる中途採用試験が行政職で実施されます。この申込期間は、令和7年度は7月11日(金)までとなっています。
4.まとめ~試験対策について~
埼玉県の経験者採用と神奈川県の秋季Ⅰ種の一般行政について、試験情報を解説してきました。
受験する採用試験の種類やタイミングによって、一般的な公務員試験用の勉強が必要な場合と、最近増えているSPI3を用いた基礎能力検査の場合とがあります。
問題の難易度やスピードは異なりますが、文章理解、判断推理、数的処理などは一定程度できるようになっておくと、どちらのタイプの試験にも役立つものでしょう。
プレゼンテーションは、自分の考えを他人に理解してもらえるように、きちんと論理立てて表現することができるか、などが重要になってきますので、面接と併せて準備をしておくことがおすすめです。