最近の若い人はあまり昇任を望まず、ぼちぼちの仕事でぼちぼちの給料をもらえればいいと考えている人が多いみたいです。自分も役所に入ったときはそんなに昇任については考えておらず、まぁ課長ぐらいにでもなれればいいのかなー、という程度に考えていました。入庁して知りましたが、課長になるには結構なキャリアが必要だったわけです。未熟でしたね。
特別区の資料によると、「職員の昇任は、学歴などによらない能力主義に基づく公平な昇任制度になっています。採用後一定の期間を経験したあとに、各ステップごとの選考、つまり昇任へのチャンスが平等に用意されています。やる気があれば道が開ける、チャレンジする者に開かれた昇任制度です。」と書かれており、昇任の流れは以下のようになっています。
※特別区の資料より
入庁したばかりのペーペーは主事という立場であり、トントン拍子でいくと5年経つと主任主事、さらに5年で係長、そこから課長、部長となります。部長は部のトップであり役所内の部の数しか部長はいませんからここまでなれる人はかなり優秀な人だといえます。ちなみに区長は区のトップですが、区民の選挙により選出されるので昇任ではありません。
最近は公務員も能力主義を取り入れようとか言ってますが、利益を追求しないためなかなかその判断が難しいところです。確かに仕事ができる人は公務員でもいくらでもいますが、そのような人でも各役職で数年のキャリアを積まなければ昇任試験を受けることすらできません。
そして、昇任も筆記試験と面接によるものであるため、逆に能力が無い人であってもこれらをクリアすると上のポストに行けるわけなのです。たまに「何でこの人が課長なの?」という人もいますが、このように試験による昇任制度であるため仕方の無い部分もあるわけです。とはいえ、能力のある人は職場の上司による評価が高いわけですから、そうした情報は人事担当に伝わっているため面接ではそうでない人に比べれば多少有利になるのかなという気がします(真偽は不明ですが)。
ごく稀に30代前半とかで課長になれる人もいるようですが(1人だけ見た気がします)、周りを見るとほとんどの人は40代でようやく係長、50代で課長、部長というパターンですね(これは私がいた区の話で、他区や他の公務員はどうなのかはわかりません)。
学歴やコネは関係ある?でお伝えしたとおり、特別区における昇任制度は学歴によって昇任スピードは関係ありませんし、女性だと不利だということもありません。もちろん1類と経験者採用とでは昇任のスピード(というかスタート地点)は違いますが、1類だけで見れば皆平等なのです。
昇任試験は今はとっても受かりやすくなっている
下のグラフでは、係長試験の受験率と合格率を示していますが、受験率が低下傾向であり、その分合格率が上昇傾向となっており最近では係長試験は受かりやすいとなっているわけです。
※特別区人事・厚生事務組合人事企画部調査課「昇任選考実施状況等調査結果」より作成。
※特別区人事・厚生事務組合人事企画部調査課「昇任選考実施状況等調査結果」より作成。
課長や部長などに昇任するための管理職試験についても同様の傾向が見られ、いずれにしてもこれまでよりも昇任を目指す人が少なくなってきており、そのかわり合格しやすいという傾向が見られるので、今後はどうなるかはわかりませんが急激に受験率が上がるということは考えづらいでしょう。
もしかしたら係長以上の職員が不足してくることで、これからはさらに昇任しやすくなってくるかもしれません。
管理職(課長以上)まで昇任すると区の施策の決定に携わることができ、大きな仕事ができるようになります。マネジメントする立場になるのでやりがいはあるかと思います。そして何と言っても給料も全然違います。
ただやはり職責は重くなりますし、議員との関わりが出てくるのも管理職ならではです。メリットデメリットそれぞれありますので、自分が仕事を通じて何を達成したいかということが大切なのです。余談ですが、年に2〜3回ほど課長との面接があり、今度のキャリアプランについての話をすることになりますので、今から明確にしておいてもいいかもしれません。