公務員試験の受験生なら地方公務員受験生でも大半が受験するのがこの国家一般職です。
難易度も国家総合職に比べ易しめであり、クセの少ない程よいレベルの問題が出題され地方公務員試験にも対応でくるので、とにかく国家一般職レベルの問題を解けるよう勉強している受験生も多いかと思います。
国家一般職試験は「大卒程度試験」と「高卒者試験」、「社会人試験」に分かれています。
大卒程度試験の受験者が最も多くなっていますが、行政区分のほかに、電気・電子・情報、機会、土木、建築、物理、化学、農学、農業農村工学、林学の9つの技術系の区分があります。
また、行政区分は北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄の各地域ごとの採用となり技術系区分は全国採用となっているのが特徴です。
一次試験
平成27年度の国家一般職の一次試験は6月14日(日)に実施されます。
一次試験は国家総合職試験と同様に基礎能力試験と専門試験が課せられ、基礎能力試験においては文章理解や判断推理、数的推理、資料解釈といった一般知能系科目の割合が大きく出題の7割を占めます。
専門科目(択一式)は行政区分では16科目80問の中から8科目40問を選択して解答する「科目選択制」となっています。ですので、たとえば「民法から3問、憲法から2問・・・」といった解答はできなくなっているので、選択する科目はしっかりと対策をすることが必要なのです。
かといって8科目だけ勉強するというのもリスクがあり、他の公務員試験と併願するときに対応が難しくなるので、10科目は勉強しておくのが一般的ですね。
一方、技術系区分では物理と化学区分以外は全問必須解答となっています。
26年度 総合職(院卒者・大卒程度試験)出題科目(専門試験・択一式)( )は出題数
試験区分 | 出題科目 |
行政 | 80問(16科目)中40問(5科目)解答 政治学、行政学、憲法、行政法、民法(総則および物権)、民法(債権、親族および相続)、ミクロ経済学、マクロ経済学、財政学・経済事情、経営学、国際関係、社会学、心理学、教育学、英語(基礎)、英語(一般) |
電気・電子・情報 | 40問必須解答 工学に関する基礎(20)、電磁気学・電気回路・電気計測・制御・電気機器・電力工学(8)、電子工学・電子回路(3)、通信工学・情報工学(9) |
機械 | 40題必須解答 工学に関する基礎(20)、材料力学(4)、機械力学(4)、流体力学(4)、熱工学(4)、機械設計・機械材料・機械工作(4) |
土木 | 40題必須解答 工学に関する基礎(20)、構造力学(土木)・水理学・土質力学・測量(11)、土木材料・土木設計・土木施工(3)、土木計画(4)、環境工学(土木)・衛生工学(2) |
建築 | 33題必須解答 工学に関する基礎(20)、構造力学(建築)・建築構造(4)、建築材料・建築施工(2)、環境工学(建築)・建築設備(3)、建築士・建築計画・建築法規・都市計画(4) |
物理 | 50問中40問選択解答 <必須問題>(30問)物理[物理数学を含む基礎的な物理](30) <選択問題>(20問中10問解答)応用物理(10)、地球物理(10) |
化学 | 44問中40問解答 <必須問題>(36問)数学・物理(9)、物理化学・分析化学・無機化学・有機化学・工業化学(27) <選択問題>(8問中4問解答)生物化学(4)、化学工学(4) |
農学 | 40題必須解答 栽培学汎論(7)、作物学(7)、園芸学(7)、育種遺伝学(3)、植物病理学(3)、昆虫学(3)、土壌肥料学・植物生理学(4)、畜産一般(3)、農業経済一般(3) |
農業農村工学 | 40題必須解答 数学(3)、水理学(4)、応用力学(4)、土壌物理・土質力学(2)、測量(2)、農業水利学・土地改良・農村環境整備(13)、農業構造・材料・施工(7)、農業機械(2)、農学一般(3) |
林学 | 40題必須解答 林業政策(7)、林業経営学(7)、造林学(11)、林業工学(4)、林産一般(6)、砂防工学(5) |
このほか、行政区分では一般論文試験が、技術系区分では専門記述試験が課せられます。
二次試験〜採用
二次試験では人物試験として個別面接と性格検査が課せられます。
また、一次試験の合格発表後に「官庁訪問」というものを行わなければならず、国家総合職と同様、最終合格=内定ではありません。
官庁訪問とは自分の志望する官庁に出向いて面接試験を受けることでしてこれは人事院面接とは別ものになりますので必ず行ってください。
国家総合職の場合、二次試験合格(最終合格)後に官庁訪問をしますが、国家一般職は一次試験の発表後に官庁訪問をしなければならないという違いがありますので、両方受験する人は間違えないようにしてください。
また、官庁訪問をするにあたり一般職は一次試験の合格発表日に官庁訪問の予約の電話をしなければならないという決まりがありますので、これも覚えておく必要があります。
そして、必ずあらかじめ各省庁の情報を収集し対策を立てるようにしておきましょう。事前に、人事院が開催する「霞が関特別講演」や「各府省合同業務説明会」などに参加し自分の希望する省庁の情報を集めておきましょう。
これらをクリアしてようやく国家一般職として採用されることとなります。国家総合職も検討している人は国家総合職の採用の流れと出題科目についてもご覧ください。