法務省専門職員(人間科学)とは?採用されるには? | ASK公務員 - 個別指導/論文・面接カード添削の公務員試験対策塾

法務省専門職員(人間科学)とは?採用されるには?

  • 2025年2月13日
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ASK公務員 編集部
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法務省には、法務省専門職員(人間科学)という採用区分が設けられています。
法務技官(心理)である矯正心理専門職や法務教官、保護観察官は、どのような場所でどんな仕事をするのか、またキャリアアップや働きがいはあるのか、といった疑問にお答えします。
そして法務省専門職員として働くためには、どのような採用試験を受ける必要があるのでしょうか? 詳しく、説明いたします!

★編集部注:実際の試験情報については、必ずご自身の責任においてお調べください。
法務省ホームページ
人事院ホームページ

1.法務省専門職員(人間科学)とは? 仕事内容は?

法務省専門職員(人間科学)は、法務省において人間科学の専門知識が必要な官職です。矯正心理専門職、法務教官、保護観察官と3つの採用区分が設けられています。
それぞれの仕事内容としては、主に次のようなものが挙げられます。

●矯正心理専門職
法務技官(心理)として、少年鑑別所では、少年に面接や心理検査などを行い、非行に至った原因、処遇上の指針を明らかにします。刑事施設では、改善更生を図るため改善指導プログラム、少年院では少年に対する矯正教育の計画策定や各種プログラムの実施などを行います。

●法務教官
少年院において、生活指導や教科指導、職業指導などの矯正教育を行うと共に、出院後の修学・就労支援などをします。少年鑑別所では、面接や行動観察を実施し、家庭裁判所の審判や少年院の指導に使われる資料を提供。
また、刑事施設で受刑者の改善指導、あるいは施設管理の総務系に携わる場合もあります。

●保護観察官
社会内処遇の専門家として、再犯・再非行の防止や社会復帰の指導援助を行います。
地方更生保護委員会では、受刑者や少年院在院者と面接、仮釈放に関する審理に必要な調査を実施し、仮釈放の取消などを行います。
保護観察所では、保護司と協働して面接指導や家庭訪問、処遇を行うほか、地域の犯罪予防活動などにも従事します。

2.法務省専門職員(人間科学)の待遇や働きがいは? 転勤は?

法務省専門職員(人間科学)の待遇や働きがいについては、どうなのでしょうか?

給与
少年鑑別所で勤務する法務技官(心理)、法務教官には、一般の国家公務員行政職俸給表(一)に比べ、12%程度給与水準の高い公安職俸給表(二)が適用されます。
東京都特別区に勤務する場合の大卒初任給は、299,880円(令和7年4月1日採用の例)。
保護観察官区分採用者には、国家公務員行政職俸給表(一)が適用されます。
東京都特別区に勤務する場合の大卒初任給は、264,000円(令和7年4月1日採用の例)。
保護観察官に任命された場合には、俸給表の調整額が加算されます。

この他に、各種手当(扶養手当、住居手当、通勤手当、期末・勤勉手当、単身赴任手当、超過勤務手当等)が支給されます。

働きがい
法務技官は、対象者に根気強く向き合い、非行・犯罪の背景要因などを見つめ、支援につなげられるよう指針を示すことなどにやりがいを感じます。
法務教官は、 九九もできなかった少年が2次関数の問題を解けるようになったり、目つきの険しかった少年が交流を深める中でだんだんと穏やかな表情になったりするなど、人の良い変化を体験でき共に喜ぶことができることなどが、頑張って良かったと思えることです。
保護観察官は、処遇の方法や内容を主体的に考え方針を立てる仕事が、人の人生に影響を与える重い仕事であり、自分の意見を持って取り組めることにやりがいを感じるとのことです。

キャリアアップについて
法務技官、法務教官ともに、採用後おおむね5年目に専門官に昇任し、その後は統括専門官(課長相当)、首席専門官、施設長等に昇任する道も開かれています。
保護観察官は、実務経験や勤務成績に応じ、統括保護観察官、首席保護観察官、保護観察所長などへと昇任します。

勤務地・転勤
法務技官、法務教官の勤務地については、本人希望を考慮して決定され、原則として採用施設を所管する矯正管区の管轄地域内で異動します。
保護観察官は、原則として採用された地方更生保護委員会や管轄内の保護観察所に配属となりますが、昇任に応じて異動の地域は広くなります。

3.法務省専門職員(人間科学)の採用試験について

法務省専門職員(人間科学)の令和7年度採用試験は、令和7年5月25日(日)に第1次試験が行われます。

令和7年度の採用予定数については、以下の通りと発表されています。
矯正心理専門職A  約 25名
矯正心理専門職B  約 20名
法務教官A     約110名
法務教官B     約 35名
法務教官A(社会人)約 30名
法務教官B(社会人)約 10名
保護観察官     約 30名
※2月3日現在の見込み数であり、変動する場合があります。
※Aは男子、Bは女子。

試験種目について見ていきましょう。
第1次試験の試験種目は、判断推理や数的推理といった公務員としての基礎能力試験があることに加えて、専門試験においては、矯正心理専門職は心理学関連の必須問題が設けられており、法務教官と保護観察官は、心理学、教育学、福祉、社会学から出題されます。

第1次試験

矯正心理専門職・法務教官・保護観察官(共通部分)
◆基礎能力試験(多肢選択式) 30題 〔1時間50分〕

配点比率…矯正心理専門職2/11、法務教官・保護観察官2/10

【知能分野 24題】
⇒文章理解10題、判断推理7題、数的推理4題、資料解釈3題
【知識分野  6題】
⇒自然・人文・社会に関する時事、情報 6題

矯正心理専門職
◆専門試験(多肢選択式) 40題 〔2時間20分〕
配点比率…3/11

60題出題、40題解答
【必須20題】
 心理学に関連する領域 20題
【40題中、選択20題】
 心理学、教育学、福祉、社会学に関する基礎
⇒心理学10題、教育学10題、福祉10題、社会学10題

◆専門試験(記述式) 1題 〔1時間45分〕
配点比率…3/11

1題解答
 心理学に関連する領域 1題

法務教官・保護観察官(共通)
◆専門試験(多肢選択式) 40題 〔2時間20分〕
配点比率…3/10

40題出題、40題解答
心理学、教育学、福祉、社会学に関する基礎
⇒心理学10題、教育学10題、福祉10題、社会学10題

◆専門試験(記述式) 1題 〔1時間45分〕
配点比率…3/10

4題出題中、任意の1題解答(選択)
⇒心理学に関連する領域1題、教育に関連する領域1題、
福祉に関連する領域1題、社会学に関連する領域1題

第2次試験

矯正心理専門職・法務教官・保護観察官(共通部分)
◆人物試験
配点比率…矯正心理専門職3/11、法務教官・保護観察官2/10

人物、対人的能力などについて個別面接
※矯正心理専門職…心理臨床場面などにおいて必要になる判断力等についての質問も含む。

矯正心理専門職・法務教官(共通)
◆身体検査
合否のみ判定

主として、一般内科系検査
視力についての測定

4.まとめ~法務省専門職員(人間科学)を目指して!

法務省専門職員(人間科学)と採用試験情報について、お分かりいただけたのではないでしょうか?
令和7年度の採用試験の申込みは、インターネットにより、2月20日(木)9:00~3月24日(月)受信有効となっています。
矯正心理専門職、法務教官、保護観察官の3区分から、申込み区分を選ぶことのできる法務省専門職員(人間科学)。皆さんの職業選択の一助となりますことを、心より願っております。

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