2024年度から国家公務員一般職の試験内容が変わります! | ASK公務員 - 個別指導/論文・面接カード添削の公務員試験対策塾

2024年度から国家公務員一般職の試験内容が変わります!

  • 2023年12月18日
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宮園 啓介
大学卒業後から、大手資格予備校、高校、大学において公務員試験対策に携わり、今まで多くの国家公務員、地方公務員合格者を輩出。自身の公務員試験合格経験に慢心せず、刻々と変化する試験傾向の分析を丁寧に行い、「出そうなところを確実に仕留める」指導をモットーとする。

【主な指導科目】
教養試験;数的処理・文章理解・人文科学・社会科学
専門試験;経済学(ミクロ、マクロ、財政学など) 、行政系(政治学・行政学・社会学)
人物試験;面接・小論文

1.はじめに

2024年実施の国家公務員一般職は、大卒程度、高卒程度の両区分とも、一次試験の筆記試験の一部が見直され、後述のとおり変更されます。
試験制度が変わるのを知らずに従来の準備をしていると、効果的な試験対策にならない可能性が出てきます。

本記事では、何がどう変わるのか(あるいは変わらないのか)を説明しつつ、対策の心構えをお伝えしていきます。

2.国家公務員一般職大卒程度について

まず、国家公務員一般職の大卒程度について確認していきます。
具体的な変更点は、基礎能力試験における①出題総数・内訳、②試験時間に分かれます。そして、③として「不変部分」も併せておさえましょう。これは、他の試験情報とごっちゃになりやすいところを整理しています。

①出題総数・内訳
総問題数が40問から30問に大幅に減ります。
内訳ですが、一般知能は27問から24問へと、一般知識が13問から6問へとそれぞれ減ります。
一般知能の3問減となっている分は、文章理解・数的推理・判断推理で1問ずつの減によって構成されています。資料解釈は現行通りの出題数です。

これに対し、約半分に出題数が減らされる一般知識ですが、「自然・人文・社会(時事を含む) 13」から、「自然・人文・社会に関する時事、情報6」という表現になります。
減らされる中で、「情報」が加わっている事は注目に値するでしょう。また、カッコ書きから「時事」をはっきり外出ししています。時事的な内容に答えられるような準備がとても大事だと分かります。

これは、以下のPDFの3ページに時事の出題例をわざわざ記載していることからも伺えます(なお、PDFの4ページ目は情報の内容があり、プログラミング的な思考力を図る問題がでそうだと分かります)。
https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/mondairei/00_00_1.pdf

②試験時間
従来は、2時間20分でした。これが、出題数が10問減った影響を受け、1時間50分へ短くなりました。
1分あたりに使える時間数があまり変わらないため、問題の難易度もあまり変わらないのではないかと思われます。
なお、この①出題総数・内訳と②試験時間は、国家専門職でも同様の変更がなされます。

③不変部分
今回の試験見直し箇所は以上です。しかし、他の試験種の動きなどがニュース報道されているのでごっちゃになる受験生も多いようです。そこで、以下2点に絞って、不変部分を紹介します。

第1は、試験日程の大幅な前倒しについてです。ここでいう大幅な前倒しとは、「民間企業の内定タイミングと同一時期に至るほどの」という意味です。この意味での大幅前倒しは国家総合職で発生しています。具体的には、従来より3週間前倒しされ3月に実施されます。
ただ、国家一般職ではそのような大幅な前倒しは起こっていません。

もちろん、令和6年は6月2日の日曜日に試験実施予定で、昨年までの6月2週目の日曜日から6月1週目の日曜日へと若干早くはなっています。ちなみに、国家専門職も、6月1週目の日曜日から5月最後の日曜日へと1週間早くなっています。

第2に、専門試験は引き続きあります。例えば、行政区分は16科目中8科目を受験しなければならないのですが、これは継続です。地方の県庁などで、SPIや一般教養試験だけの試験区分が創設された採用情報がよく起きますが、国家一般職では、2024年実施試験においてそのような区分はないことを踏まえておきましょう。

なお、専門試験が引き続きある点は、国家専門職でも同様です。

3.国家公務員一般職高卒程度試験について

こちらも、①出題総数・内訳、②試験時間をお伝えします。
※なお、高卒区分については、あまり他の試験種と情報の混ざる話は少ないため、不変部分は省略します。

①出題総数・内訳
出題総数は変わりません。40問のままです。
内訳は、人文科学は9問から8問へ減り、代わりに情報が1問増えます。

ちなみに、以下のサイトでは、情報の問題例が載っています(PDFのp5)。
問題数が多いわけではないため何とも言えませんが、高校で習う情報Ⅰの知識を使うことになりそうです。
https://www.jinji.go.jp/saiyo/siken/mondairei/00_00_1.pdf

②試験時間
こちらも総数が変更していないため、変更なしです。
すなわち、1時間30分が試験時間となります。

4.まとめ~大卒程度は一般知能・時事重視の対策を!高卒程度は従来通りの準備を~

2024年実施の試験から、一次試験のいわゆる「教養試験」はご紹介してきたように変更が行われます。

この変更によって、大卒程度の試験を受けられる場合は、一般知能の出題割合が67.5%(40題中27問)から80%(30題中24問)へと上昇している事に鑑み、より一層の強化学習が必要です。

特に、数的処理に苦手意識を持っている受験生は、それを払拭し得点ができるよう学習していくことが肝要となります。苦手な方は、本などの参考書の通り一遍な解説では苦戦も予想されます。究進塾では、数的処理の個別指導もありますので、こういうものを活用してぜひ得点力を磨きましょう。

究進塾 数的処理個別指導講座(https://ask-koumuin.com/suuteki-lesson/

それから、時事対策も大事になります。このとき、単なる直近の出来事だけを追うのではなく、歴史的な流れを踏まえながら理解したり、時事を理解する上で重要となる学問的な知識もおさえたりしましょう。
そのためには、半年に1回出ている『新聞ダイジェスト臨時増刊号』を2~3回分手に入れておくと良いでしょう。例えば、2024年受験者は、2023年3月臨時増刊号、9月増刊号、2024年3月増刊号をおさえるという意味です。
新聞ダイジェスト 2023年9月臨時増刊号

これに対して、高卒程度の場合は、情報が1問加わるのが変更点でした。このため、従来通りの準備をしておけば大丈夫でしょう。

とはいえ、従来通りの準備においても一般知能対策は重要です。また、一般知識は範囲が広く苦戦しやすい試験と言えます。この点も、学習への悩みなどがあれば、究進塾では、個々人にあった合格までの学習メニューを作成できます。無料相談からでもぜひご参加ください。

今回は、試験変更と、そこから見えてくる対策方法について解説しました。試験内容は時々変更が加わりますので、最新情報は必ず人事院HP(https://www.jinji.go.jp/saiyo/saiyo.html)などを参照ください。

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大学卒業後から、大手資格予備校、高校、大学において公務員試験対策に携わり、今まで多くの国家公務員、地方公務員合格者を輩出。自身の公務員試験合格経験に慢心せず、刻々と変化する試験傾向の分析を丁寧に行い、「出そうなところを確実に仕留める」指導をモットーとする。

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