公務員試験に落ちてしまった・・・。そのようなとき民間の就活をすべきか、それとも来年に向けて勉強をするか悩んでいる方もいるかと思います。
例年、一般的な大卒試験であれば国家総合職を皮切りに、国税専門官、都庁・特別区、国家一般職、地方上級・A日程と試験が行われ、人によってはB日程、C日程も受験するでしょう。
大抵の場合、6月末の試験、つまり地方上級やA日程の試験が終わった時点で、「筆記は大丈夫だな」と感じる人と「今年はダメだな」と感じる人に分かれます。
後者の場合、今年の残りの試験を受けつつ来年度も視野に入れるか民間の就活に切り替えるかが悩むポイントかと思われます。
浪人してでも公務員になるべきか、それとも早く就職すべきか中々決められませんよね。
ここでは、公務員試験に落ちたしまった場合、就職するか浪人するかを判断するための考え方をお伝えします。もし今不安に感じているのであれば参考にしていただけると幸いです。
この記事の目次
1 本当に公務員になりたいかを考えよう
結論からお伝えすると、あなたが本当に公務員になりたいのであればぜひ浪人してでも目指すべきでしょう。
浪人すべきかどうか悩んでいる人は「民間でもいいかもしれない」と思っている人が大半です。残りは「とりあえず就職はしなければ」と思っている人でしょうか。そのような人は何としてでも公務員になりたいという気持ちが薄いのではと感じます。
もしくは、「楽をしたい」「なんとなく良さそう」といった軽い気持ちで目指している可能性があります。こうした方は、何も人生をかけてまで公務員を目指すべきではないと思います。
世間一般で言われるほど楽でもありませんし、待遇も特に若手のうちはそれほど良くはありません。確かに安定はしているかもしれませんが、将来的にどうなるかは不透明です。
ですので、一度「本当に公務員になりたいのか」「なぜ公務員になりたいのか」をよく考えてみると良いでしょう。
2 一度民間に入って経験を積むことも考えてみよう
民間は嫌だから公務員を目指すような方は、「ノルマに追われたくない」「営業はやりたくない」「毎日サービス残業は嫌だ」といった固定観念を持っているかもしれません。
しかし、民間企業が全て営業をやるわけではありませんし、ノルマがあるわけでもありません。当然、利益を出し続けていかなければ企業は存続できないので「数字」を意識する必要はありますが、これは税金を使い事業を行う公務員も同じです。
また、公務員であってもサービス残業は当然のようにある部署もありますし、楽な部署もあります(私は忙しい部署と楽な部署の両方を経験しましたが、その差たるや相当なものです)。
つまり、民間であっても公務員であっても、楽か大変かは「どこで働くか」で変わってくるのです。
逆を言えば、比較的楽な民間企業も必ずあります。もちろんそれは働くまではわかりませんが、先入観を持ちすぎて民間企業を拒否する考えは持たないほうが良いでしょう。
どうしても今年中に就職しなければならないということであれば一度民間企業に就職することもおすすめします。
試験にもよりますが、民間企業で4〜6年程度経験を積むことで「経験者採用」として受験することができます。
経験者採用枠であれば、筆記試験の負担が減り論文や面接が重視される傾向になるため、筆記試験で落ちた方にとっては合格の可能性は高くなります。
逆に、面接など二次試験で落ちた方はしっかりと面接対策をしなければ経験者採用での合格は難しくなります(経験者採用は民間でバリバリやってきた人が受ける試験なのでコミュニケーション能力が高い人が多い傾向にあります)。
3 どこに勤めるかで就職先を決めるのは危険
公務員試験の受験者は真面目な方が多いので、特に学生であれば「公務員か大企業じゃなければいけない」という親の意見で就職を決める人もいるでしょう。また、安定志向の方が多いため親が言わなくても公務員、民間であれば誰もが知るような大手企業がいいと考えるかもしれません。
就職ランキングを見ても名だたる企業が名を連ねているため、いかにこうした考え方を持っている人が多いかがわかります。
もちろんこうした考え方は素晴らしく、将来的にお金に困るというリスクを減らすことはできます。しかし、公務員であれ大企業であれ「リスクがないことはない」ということは念頭に置かなければなりません。
最近ではシャープが7000人もの人員削減を行う可能性があると発表し、企業自体も台湾の企業に買収されました。
他にもソニーやJT、電通といった名だたる企業が人員削減を行っています。
これらの企業は学生にも人気であり、将来的な不安など感じるような企業ではないのではないでしょうか。企業の競争が激化しているこの時代、今がよくても将来どうなるかは分かりません。
公務員も財政破綻をしてしまう自治体もありますし、コスト削減のための採用抑制を行っているところもあります。人員が不足することで職員の業務量は増え、給料に見合わないと感じることも増えるかもしれません(当然、給与も削減の方向になります)。
多少不安を煽ってしまいましたが、企業ブランドや公務員というネームバリューだけで選んでしまうと将来的にはリスクが高まる可能性があるということです。
どうしても就活などをするときには「どこで働くか」という基準で選んでしまいがちですが、「何がしたいか」という視点が重要です。
何がしたいかが決められない!という人もいるかもしれませんが、問題ありません。公務員・民間いずれも専門職でない限り自分のやりたいことなどできない人がほとんどです。働くうちに見えてくるかもしれませんので、あくまで修行の場だと割り切って言われたことをやってみるのもいいかもしれません。
そして、大手企業がやはり人気ですから、こだわりすぎると公務員を諦めたにも関わらずいつまでも就職が決まらないという最悪のパターンに陥る可能性が高いので絶対にやめましょう。
4 多浪はどこにも採用されないリスクが高まるのでよく考えよう
ここまで読んでもどうしても公務員になりたい!という気持ちがあるのであれば1でお伝えしたように公務員を目指すべきです。
しかし、2年3年と浪人を続けていくべきかどうかはよく考えたほうがよいでしょう。
というのも、やはり年齢を重ねると新卒に比べ不利になるのは事実です。特に民間企業の場合、新卒一括採用方式のため卒業してしまうと既卒扱いとなってしまいます。
公務員試験であれば職歴なしでも20代後半ぐらいであれば採用をしてくれるところもあるかと思いますが、面接でなぜ浪人してまで公務員を目指したのか納得のいく説明が必要になるでしょう。
しかし、30歳を過ぎてもなお職歴がなく公務員試験に挑んでいくことは相当のリスクがあるかと思います。
民間企業は第二新卒やポテンシャル採用という形で職歴がなくても採用する枠はありますが、対象となるのは卒業後3年以内ぐらいまでが一般的です。それ以上は経験者でないと採用される可能性が低くなるので民間への就職も厳しくなります(もちろん、企業の数は山ほどありますので、どこでもいいというのであればどこかに引っかかります)。
このように、浪人の年数が長ければ長いほど公務員・民間問わず採用されないというリスクがあるので、どこかのタイミングで腹を括って民間へシフトすることをおすすめします。
5 まとめ
公務員試験に落ちたとき、将来どうするかを決めなければならずとても不安になるかと思います。
しかし、民間企業について調べることで興味が湧いてくるということは多々ありますし、やはりどうしても公務員でなければ働きたくないという人でなければ一度就職し、再度挑戦という手を考えることでリスクを減らすことができますので検討してみるとよいでしょう。