国家公務員一般職をめざしている皆さん、「官庁訪問」の重要性についてご存知でしょうか?
国家公務員試験に最終合格しても、自ら「官庁訪問」をして、省庁から採用の「内定」を得なければ、国家公務員として仕事をすることはできません。
ここでは、国家一般職の官庁訪問はいつどんな風に行われるのか、対策はどうすればいいのか? ということについて説明していきますので、どうぞお見逃しなく!
1.国家公務員の官庁訪問とは?
国家公務員の場合、総合職、一般職ともに、国家公務員採用試験に最終合格してもそれだけでは採用にはなりません。国家公務員採用候補者名簿に登載されますが、名簿の有効期間(基本5年間。教養区分は6年間)のうちに、個別の省庁から内定を得て「採用」されることが必要です。国家は省庁ごとに業務が大きく異なり、(派遣や出向を除き)採用された省庁で長い間勤務することとなります。
そのため、各省庁と公務員志望者との間でマッチングを図るのが「官庁訪問」というわけです。
これが、地方自治体で働く地方公務員とは大きく異なるところです。
2.国家一般職の官庁訪問、スケジュールと予約は?
令和7年度の官庁訪問スケジュールは、以下の通りです。
国家一般職の試験と官庁訪問のスケジュール 令和7年度
6月1日(日) 国家公務員一般職 第1次試験(筆記試験) 6月25日(水) 午前9時 第1次試験合格者発表 6月25日(水) 午前10時 官庁訪問の予約開始 7月2日(水) 午前9時以降 官庁訪問の開始 ~7月8日(火) 7月9日(水) 人物試験(第2次試験) ※官庁訪問禁止期間 ~7月27日(日) (7月28日(月)~ 官庁訪問 ※追加分) 8月12日(火) 午前9時 最終合格者発表 8月12日(火) 午前9時以降 内々定 解禁 |
6月25日(水)午前9時に国家一般職試験の一次試験合格発表がありますが、1時間後の午前10時から官庁訪問の予約を取ることができます。
官庁訪問は7月2日(水)午前9時から開始されます。
ただし、官庁訪問禁止期間が設けられており、7月9日(水)から27日(日)までとなっており、この期間には第2次試験である人物試験が行われます。
ですので、官庁訪問は7月2日(水)から8日(火)までの土日を除く平日、実質的には5日間しかありません。
本省か外局か、受験した地方の出先機関か、いくつの省庁を訪問するか、といったことと、「自分はどこで仕事をしたいか」を考え合わせて、官庁訪問の日時予約を取る必要があります。
人気のある省庁では、日時の早い枠はどんどん埋まっていきます。
第1志望の省庁から、できるだけ早めに訪問することがおすすめです。
そのためには、第1次試験合格発表の前から、自分がここで働きたいと思う希望省庁をいくつかピックアップして、あらかじめ訪問日程を検討しておくことが必要です。
官庁訪問では、日程と開始時間は予約することができますが、終了する時間というのは不明確なものです。省庁によって、1日に面接が2回、3回とあったり、グループディスカッションが設けられていたり、待機時間も発生します。
1日に1カ所の省庁を訪問する場合は良いですが、複数の省庁を訪問する場合には、1つ目の省庁で時間が多くかかった場合のことと移動時間も考えて、予約を入れるのが良いでしょう。そのためにも、第1志望の省庁からできるだけ早い日時に訪問できるよう、あらかじめ下調べしておくことが必要なのです。
なお総合職の場合はクール制ですが、一般職はクール制ではなく、任意に希望の省庁を訪問することができます。
3.国家一般職の官庁訪問、その前に
(1)国の組織について
国の組織は各省庁の本省、外局、地方の出先機関など、とても幅が広く多分野にまたがっています。そのため、省庁のホームページに掲載されている組織図を参考にしながら、組織とおおよその業務を把握し、計画を立てるのが良いでしょう。
例えば金融庁、消費者庁、こども家庭庁、公正取引委員会は、内閣府(本省)の外局ですし、防衛装備庁は防衛省(本省)の外局です。本省と外局の両方に官庁訪問をしたいと思えば、それぞれ別個に行う必要があります。
また、厚生労働省(本省)の地方機関として、関東信越厚生局や東海北陸厚生局などの地方厚生局、東京労働局や栃木労働局などの都道府県労働局があります。
霞ヶ関の庁舎に多い本省や外局、そして自分が受験した地方の局、などと位置的なことも考慮しながら、組み合わせて官庁訪問のスケジュールを立てると良いでしょう。
(2)業務説明会
国家一般職試験の合格発表が6月28日ですが、その前の6月中旬頃には各省庁や外局などで業務説明会が開催されます。
この業務説明会にはできる限り参加して、各省庁の仕事などについて知識を仕入れ、理解を深めておきましょう。
業務説明を聞いてみて、志望している省庁への気持ちが改めて強くなることもありますし、あまり興味のなかった省庁や外局の仕事が、想像していたより面白そうだと気がつくこともあります。
業務説明会で聞いたことは、官庁訪問の時にもきっと役立ちます。
例えば下記のような政策にかかわる説明会や体験会など、省庁の仕事が分かる機会に参加すると、理解が深まるはずです。(令和7年4月16日時点の情報です。必ず最新の情報をご確認ください)
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
◎経済産業省
『1DAY政策勉強会』REAL de METI 一般職の職員が登壇。座談会も実施。
6月17日(火)10:30~12:00 中小企業庁 経営支援部 技術・経営革新室
6月17日(火)15:30~17:00 (本省)商務・サービスグループ サービス政策課
引用)経済産業省ホームページ
4.まとめ~心がまえと対策について
官庁訪問をするに当たっては、省庁の仕事や働きがいなどについて、できれば大学の先輩、OBや知人など実際に働いている人に聞くなどして、早いうちから情報収集しておくことが望ましいです。
省庁ごとの業務の概要を調べながら情報のアンテナを広げ、志望する省庁や外局、地方機関などを、実際に訪問するいくつかに絞っていくことが必要です。調べてみることで働くことのイメージが湧いてくるでしょう。
自分がどこの省庁で仕事をしていきたいか、志望動機をまず自分の言葉で説明できるようにしておく必要があります。
国家一般職の官庁訪問で実施される内容は、省庁によりますが、面接を複数回行うところが多く、グループディスカッションが行われる場合もあります。
また官庁訪問後の7月9日~27日には、第2次試験の人物試験で面接試験(人事院)が行われます。
多くは面接カードや官庁訪問カードを記載して、面接に臨む必要がありますので、面接カードの書き方や面接の練習など、必要に応じて予備校の面接講座もご活用ください。