この記事の目次
1.はじめに
警視庁は、2024年12月6日にHPを更新し、「現時点での予定であり、選考日程や選考方法等の詳細については、東京都人事委員会の承認を得た上で実施」としながらも、2025年(令和7年)からの採用試験の変更を発表しました。
本記事では、変更点を徹底的に解説します。
記事を通して、この変更で、受験準備を新たにした方が良い対象者が分かりますので、その方は早めの準備に取り掛かってください。
2.警視庁の新試験の内容
変更点が分かるように、令和7年度からの新試験を解説していきます。
変更点1)令和7年度の第1回試験からⅢ類試験が実施されます
Ⅲ類試験とは、一定年齢(令和6年実施試験ベースですと平成元年〜平成19年4月1日生まれまで)の高卒者や、試験年度の翌年に高卒者になっている見込み者に向けた試験です。
そして例年は、秋(第2回)と冬(第3回)にだけ実施されていた試験となります。
これが、令和7年度からは、第1回試験でも試験実施がされます。ただ、この第1回は、高卒見込み者は受験できません。つまり、一定年齢の高卒者だけが受験するものになります。そして、試験実施は、令和7年4月に一次試験、5月に二次試験です。
発表から試験までの時間と、対象者が狭くなる関係から倍率の低下が見込まれます。対象の方は、短期集中で受験準備をして、試験に臨むと良いでしょう。
変更点2)教養試験で公務員型とSPI型が選べるようになります
従来は公務員型だけでした。
これが、Ⅰ類とⅢ類共に、公務員型ではないSPI型(警視庁の記載で適性検査)を選べるようになりました。
Ⅰ類のSPI試験は「GAT-U」です。「GAT-U」とは、「インハウスCBT」、「ペーパーテスティングテスト」の大学新卒採用者向けで、「基礎能力検査」のみを実施する形式の一つとなります。「基礎能力検査」自体はSPIなので、「言語」、「非言語」が出題されます。SPIについては、以下の記事も参考にしてください。
ところで、先述のとおり、「GAT-U」では「性格検査」は実施されません。ただ、公務員型と同様の適性検査がありますので、性格把握自体はなされるようです。
ちなみに、「インハウスCBT」は、採用試験側が用意したパソコンを使用してSPIを受験します。つまりテストセンターで受験するのではなく、試験会場へ行って受験することになります。
Ⅲ類のSPI試験は「GAT-H」でして、これは高校新卒者向けという以外の特徴(例えばSPIとしての性格検査がない)は「GAT-U」と同じです。
変更点3)国語試験の廃止
警視庁の試験では、国語試験というのがありました。
これは20分で50問の漢字に関する問題がでるものでした。
これが廃止となります。国語試験の廃止は、Ⅰ類もⅢ類も同じです。
変更点4)公務員試験型の出題数と時間における変更
警視庁の試験は2時間で50問の教養試験が実施されていました。
これが、その「出題数を削減し試験時間を短縮する」とのことです。ただ、2025年1月13日現在、具体的に何問削減となり、どのくらいの回答時間となるかは発表されていません。
情報が入り次第お伝えします。
3.警視庁新試験の留意点
留意点1)試験時期が早まるのは令和8年度から
令和7年度は従来通りの実施時期です。令和8年度第1回からは1月の早期に筆記試験を受ける方式ができるようですが、2025(令和7)年に試験を受け、2026(令和8)年4月に働き始める予定の方には関係ないことになります。
留意点2)論作文試験はなくならない
一次試験の構成は、①教養型かSPIかの筆記試験、②論作文試験、③資格経歴等の評定、④適性検査の4つです。
論作文試験がある点は、特に準備を抜かりなく対策をしておく必要があります。究進塾では、論作文の添削を承っています。よろしければご活用ください。
4.新試験への対応は?
新試験になることでどのような影響が出るでしょうか。ここでは、行動変容した方が良い方を2タイプお伝えします。
第1は、2026年4月に警察官として採用されたいと考えていたものの、公務員試験対策をしていなかった方はあきらめなくて良くなります。なぜなら、SPIの解答力を磨けば、挑戦できるようになるからです。
もちろん、公務員試験特有の教養試験対策が上手くいっていない方にとっても、SPI型に切り替えて励めば合格がしやすくなるでしょう。
第2は、2024年にⅢ類を受験していたが残念な結果となった方の中には、2025年秋の第2回試験でリベンジを果たそうとしていたかもしれません。つまり、2025年1月現在でいうと9か月後に試験があるつもりだったことになります。
ただ、新試験となれば、第1回からそれができます。これを望む再受験組の方は、受験モードを直前期に切り替えて、4月の一次試験に備えて学習に打ち込みましょう。
5.おわりに
本記事では、警視庁の試験が令和7年度実施から変更する点を解説しました。SPI型を選ぶことができることと国語試験がなくなる意味で、受験がしやすくなるでしょう。
また、高卒者の方にはチャレンジの機会が春の第1回からとなり、ここでは卒業見込み者がいない状態となります。対象の人にとっては、この点も有利に働くでしょう。
したがって、もしも一度受験を諦めていた方は受験を検討しても良いでしょう。そして、高卒者の方で、今から試験直前期として追い込みをかけるように切り替えることも望ましい行動といえます。
なお、こうした変則的な実施に対応するには個別指導がうってつけです。SPIの試験対策と論作文対策が不安な方は、ぜひ個別指導塾の活用をお考え下さい。
究進塾も個別指導をしています。