元大手予備校講師が教える市役所の面接カードの書き方を徹底解説

  • 2018年9月10日
  • 2018年9月24日
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高橋 郁恵
慶応義塾大学法学部法律学科卒業後、裁判所職員として東京地裁に勤務。その後、大手資格予備校講師に転職し、法律科目(収録講師担当)・教養論文・面接の指導にあたりながら模試制作にも携わる。 面接指導は1000人を超え、特に元公務員の視点からの面接指導は多くの受験生から支持され、女子受験生からも多く相談を受けアドバイスを行う。現在はASK公務員で、これまでの経験を活かし、本当に役に立つ情報を発信している。

「面接は、見た目が大事(話し方や表情を含む)!好感度が大事!」というのは、公務員試験の面接対策をしていると一度は聞いた事があるかと思います。

これと同様に、むしろそれ以上に「面接カードも見た目が大事!」なのです。

面接カードによって、これから面接室に入室してくる受験生のイメージをしてしまうのです。

字が雑だな。(きっと雑な人間なんだろうな。)
質問に答えてないな。(コミュニケーションのとれない子なのかな。)

逆に、
とても読みやすい文章だな。(他人に気遣いができる子なんだろうな。)
男子なのに、とても整った字を書くな。(性格もしっかりしている好青年タイプかな。)
などなど。

それなのに、面接カードがイマイチな受験生が多いのが現状です。(それを自覚して、大学や予備校などで何度も添削を受け、体裁を整えることで、いい感じの面接カードを提出する受験生は安心ですが。)

市役所では面接が複数回行われ、採用人数も圧倒的に少ない場合が多くなっています。この面接の狭き門をくぐりぬけるためにも、面接カードを完璧に仕上げてから提出するようにしましょう。

1.面接カードの様式と書き方の各注意点

市役所は自治体ごとに面接カードの様式がかなり異なります。
たとえば、

①罫線付きの面接カード
(各項目につき数行〜7行で書くもので、カード自体に罫線が書いてあるもの)
②罫線なしの面接カード
(各項目につき数行〜7行で書くもので、カード自体に罫線が書いていないもの)
③エントリーシート型
(志望動機と自己PRについて、エントリーシートのように長文で書くもの)
④変形型
(項目が多いが、書くスペースが狭いうえに、変な区切り方をしているもの)

などがあります。

また、面接カードの様式は年度によって変更されることが稀にあります。
なので、面接カードが手元に届いてから、「いかに見やすいカードを書くか」を考え、くりかえし書いてみながら、仕上げていく必要があります。

さて、先に挙げた面接カードでの注意点をみていきます。

①罫線付きの面接カードの注意点

これは見た目を整えやすい様式です。罫線からはみだすことなく書いていけばよいだけです。しかし、基本がなっていない受験生が多いのも事実です。

以下の注意点を必ず守るようにしてください。

(1)意味もなく改行しないようにしましょう。行の最後までしっかり使いきって下さい。

(2)枠からはみ出ないようにしましょう。時々、最後の1字を書ききれずに、枠外に書いている人がいますが、これは論外です。

(3)上下の文字の位置をそろえましょう。
つまり、マス目が書いてなくても、マス目があると思って書いていきます。たとえば、1行目で25字書いたなら、2行目以降も1行目の文字の位置に合わせて25字で書いていきます。漢字とひらがなでは文字の大きさを変えた方がきれいに見えることがあるので、多少のズレは問題ありません。

(4)文字はやや大きめに、ただし罫線のバランスを考えて書きましょう。罫線のわく幅いっぱいに書くよりは、上下にやや余裕をもって書きましょう。

②罫線なしの面接カードの注意点

公務員の面接カードでは、この様式がとても多いです。しかし、見た目がひどくなりがちです。

まず、
(1)右上がりにならないように書きましょう。

(2)各行の文末を全てそろえましょう。罫線なしの様式の場合に1番多いのが、改行をしているわけでもないのに、行ごとの最後の文字の位置がバラバラなパターンです。非常に雑に感じます。

(3)書く前に、鉛筆でうすく罫線をひいてから書き、清書が終わったら、きれいに消しましょう。その際、ペンのにじみに気をつけて下さい。(面接カードが薄い用紙の場合は、下に罫線をひいた下敷きや用紙を敷くのもよいでしょう。)
(4)文字をやや大きめに書きましょう。面接カードの用紙サイズにもよりますが、1行35字を超えてくると、だいぶ詰まって読みにくく感じます。

③エントリーシート型の注意点

この場合はたいてい罫線が引いてありますので、上記①の注意点を守って下さい。

④変形型の注意点

最も他の受験生と差がつきやすく、細心の注意と工夫が必要です。

(1)基本的には全ての項目について文字の大きさをそろえます。しかし、資格の項目や趣味・特技の項目など、文章ではなく箇条書きで書くような場合は、多少大きめの文字になっても問題ありません。

(2)項目が多いので、志望動機や自己PRなどはアピールしたいことをしっかりとしぼりましょう(多くても2つ程度)。やや抽象的な文章になっても、面接官はそれを承知で面接してくれます。

その他は、上記②罫線なしの面接カードの注意点を参照してください。

2.文章の形式面

ここでは文章を書く上で必ず抑えておくべき基本(形式面)についてお伝えします。

2-1.「だ・である調」より「です・ます調」

面接カードを書くときの文体は、「だ・である調(常体)」よりも、「です・ます調(敬体)」の方が好まれるようです。実際に、受験生の多くが「です・ます調」で書いています。

といえど、「だ・である調」の面接カードを提出して上位で合格した受験生(男性・女性にかかわらず)を何人もみてきました。かくいう私も、受験生自体は「だ・である調」で面接カードを書き合格しています。なので、合否に直接は影響しないと思いますが、やはり印象は異なります。

*「だ・である調」で書いて合格している受験生は、非常に好感度の高い表情・話し方をする印象があります。

ただ、市役所の場合は、様々な住民に対して、ていねい・親切に対応していく仕事です。したがって、面接カードでも「です・ます調」で書いて、ものごしの柔らかい感じ、ていねいな感じを出した方がよいでしょう。

注意しなければならないのは、面接カードの中で、「だ・である調」と「です・ます調」を決して混ぜて書いてはいけないことです。うっかりでもダメです。

管理職公務員は、ひたすら部下の文書を推敲する立場にあります。内容はもちろん、形式面の誤りはすぐに気がつくものです。きちんと文章の形式をそろえましょう。

2-2.体言止めはダメ

主に志望動機(志望理由)や自己PRの欄の文章の中盤で、「・・・・・・であること。」と、体言止めで書く受験生がいます。しかし、正式な文書である面接カードで、この書き方はやめましょう。

ただし、次のような書き方は認められます。

「私は、次の2つの理由から〇〇市を志望します。
①・・・・・・・・・・・から。
②・・・・・・・・・・・から。」

「趣味・・・ピアノを演奏すること」

2-3.文字数

1文の文字数は20字〜40字程度が読みやすいです。

短い分にはよいのですが、問題は長くなる場合です。面接カードや論作文など多くの受験生の文章を読んできましたが、60字を超えると採点者が正しく理解してくれない可能性が出てくると思って下さい。つまり読みづらいのです。

面接官は事前に面接カードを読み、マーカーまで引いていてくれるような方もいますが、1日に立て続けに何人もの受験生の面接をします。読みづらい文章を、わざわざ何度も読み返して理解してくれることはありません。
とにかく、「年配の面接官が読みやすいカードを書くこと」、これを徹底してください。

3.主な項目の注意点

ここでは面接カードで聞かれる項目の注意点について見ていきましょう。

3-1.志望動機(志望理由)、やりたいこと

志望理由の書き方に決まりはありません。10人いたら10人が違った書き方をします(実際は、かなり同じ形式で書いていますが)。

面接カードで書いてほしいことは、

①その市を志望するきっかけ
②その市のどこに興味をもったのか
③その市の政策や取組みで共感したこと
④採用されたらやってみたい仕事

です。
面接カードの書く欄が狭ければ、①は省いてもかまいません。④は記入欄が分かれていることもあるので、その場合は別に書きます。

重要なことは、みなさんが実際の職員から聞いた事や、足を使って調べ考えたことを織り込むことです。これで、志望の熱意を伝えることができます。

例①
私は、住民と同じ目線でまちづくりに携わりたい考え志望しました。〇〇市は、中心部だけでなく郊外の行政サービスの拡充に努め、〇〇◯にも力を入れていることを知り、住民目線の取組みに魅力を感じました。〇〇市が掲げる「〇〇◯ビジョン」の発展に向けての制度づくりにも意欲的に取り組んでいます。私も職員として、市民のみなさんに「・・・・・・・」と思っていただけるように尽力したいと考えています。
  • まちあるきをして感じたこと(文字数の関係で、「・・・を知り」、という書き方にとどめましたが、面接では、まちあるきをして調べたことを伝えるとよいでしょう)、考えたことを書くと独自性が出ます。
  • 市の取組みについて何を聞かれてもいいように、できる範囲で調べ、自分の考えを整理しておきましょう。(政策オタクになる必要がありません。)
例②
私が〇〇市を志望する理由は大きく2つあります。第一に、子育て支援を通じて、・・・・・・・・・できるようにしたいからです。現在〇〇市では・・・・・に積極的に取り組んでいますが、職員の方から・・・・・・・・と伺い、より一層のサービスの向上が必要だと感じました。大学時代に培った〇〇を活かしながら、その向上に貢献したいと考えています。第二に、・・・・・・・・・。
生まれ育った〇〇市がより一層〇〇なまちになるように、職員として貢献していきたいと考えています。
  • 「どんな市にしたいのか」という柱をたてたうえで、取り組みたい仕事を織り交ぜて説明していきます。
  • 第一に(1つ目に)・・・。第二に(2つ目に)・・・・。という書き方も、よく使われる手法です。

3-2.学生時代に力を入れて取り組んだ事柄

最も重要なことは、アピールポイントを明確にすることです。

たとえばサークル活動で培った〇〇力をアピールしたいなら、それについての「具体的なエピソードを1つ」、面接カードで説明します。どんなに多くても2つです。
このアピールポイントの絞り込みが出来ていない受験生が非常に多いです。

選択したエピソードがアピールポイントとリンクしているかも、しっかり見極めましょう。たとえば、継続力をアピールしたいのに、選んだエピソードは「創意工夫」の方が適しているというようなことがよくあります。


大学のゼミ合宿で、ゼミ生同士の希薄な関係を改善し、その後のゼミ活動を活発化させることに取り組みました。まず、私を含む役員5人で、どうしたら関係性を変えられるか合宿前から何度も話し合い、〇〇することが必要だと考えました。そこで、合宿では〇〇や〇〇などを企画し、役員がそれぞれの得意な場で力を発揮することでゼミ生の交流に取り組みました。その結果、ゼミ生同士の関係性も良くなり、合宿後のゼミ活動では積極的な議論を重ねられるようになりました。この経験から、チームで力を合わせることが目標達成につながることを実感しました。

3-3.長所・短所

長所・短所ともに、エピソードを聞かれていなくても欄に余裕がある限り、エピソードとセットで書きます。

短所については、裏返せば長所とも言えそうなことを、改善策とセットで書くのが無難です。面接では、「それって長所でしょ?」っと厳しい口調で問われることもありますが、冷静に理由を説明できれば問題ありません。

長所(例)
継続力がある所・・・中学生から現在まで続けてきた野球では、勉強との両立など辛い時も多くありましたが、それを乗り越えて続けてきました。
短所(例)
融通のきかない所・・・いまは必ず人の意見を聞き、頑固にならないように意識して行動しています。

3-4.卒業論文・ゼミナールのテーマ

面接ではついアルバイトやサークルなどの活動のアピールになりがちです。しかし、大学生の本分は学業でもあります。市役所の面接では聞かれることが少ない項目ではありますが、自信をもって学業も行ってきたことを伝えられるようにしておきましょう。

例:「表現の自由とヘイトスピーチ」について、〇〇の実地調査などをしながら研究していくつもりです。

大学によってゼミナールの履修が必須でないところもあります。そのような場合は、
「ゼミナールには所属していません。大学では社会法の演習科目をとり、ジェンダーについて興味をもって取り組みました。」
などと説明を入れておきましょう。

3-5.最近関心を持った事柄

社会的な事柄を聞いています。
全国紙で取り上げられるようなニュースでもよいですし、市役所受験の場合、その市の独自のニュース・事柄でもよいでしょう。

ただし、そのニュース・事柄について①なぜ興味をもったのか、②それについてどのように考えるのか、をしっかりと用意しておく必要があります。
面接カードに書くもの以外に、面接用にさらに2個用意しておくと安心です。

3-6.免許・資格・検定等

こちらは公的資格を書きます。

例:教員免許(種類・科目)、行政書士、TOEIC800点(◯年◯月取得)

できるだけ正式名称で書きますが、あまりに長く一般的に知られていない名称の場合は省略することも可能です。

例:
正式名称:「日本商工会議所及び各地商工会議所主催簿記検定試験」

面接カードに書く場合:「日商簿記検定試験2級」

なお、趣味に関する資格は、趣味・特技の欄に書きます。

例:華道(池坊 初等科初伝)

3-7.趣味・特技

趣味・特技については面接で聞かれないことも多いですが、気になる書き方をすれば面接官もつい話題をふってくれます。それによって、自己PRにつながることもあります。

例:マラソン(年に3回マラソン大会に出場し、毎回自己ベストを更新。)

例のように書くことで、目標を設定して練習をする継続力がある子なんだな、と思ってくれる人もいます。

4.生まれ育った・愛着ある・地元恩返しはタブーなのか

最後に、市役所試験では、

「生まれ育った〇〇市に貢献したい」
「愛着あるこの地元に恩返しをしたい」

というキーワードを使う受験生も多くいます。

予備校や市販の面接対策本によっては、これらのキーワードを使ってはダメ!としている場合もあります。

しかし、生まれ育った地元に戻り、将来家族をもちながら、さらにその地元住民のために頑張って働きたい、と思うのは素晴らしいことだと思います。
地元であることが、その市を受験する1番の志望理由であり1番の武器とも言えます。

なので、私は面接カードに書いても全く問題ないと思いますし、これらのキーワードを書いて合格していった受験生をたくさん知っています。

しかし問題なのは、その使い方です。

長々と地元愛を語った文章を書くのは全くダメです。志望理由が、地元だけ、というのもダメです。必ず、政策・取組みなど共感した点を書いて下さい。
そして、このキーワードを使う場合は、せいぜい、冒頭か文末に、一言入れるだけにしましょう。

まとめ

面接カードの書き方について詳しく解説しました。

市役所を受験する方は市役所の志望動機を作るポイントをどこよりも詳しく解説の記事もあわせてご覧ください。

市役所の面接は倍率が高いので、こちらの記事も一読し、十分な準備をしておきましょう!

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