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地方公務員の職種あれこれ

  • 2024年5月13日
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ASK公務員 編集部
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就職を考える際、その職業にはどのような職種があって、どんな仕事をするのかについて、まず調べてから自分に合っているか、検討されるものと思います。
たとえば公務員といっても、その職種は幅広く多種多様なものがあります。
ここでは、私たちに身近な市役所などで働く地方公務員には、どんな職種があるのか見ていきましょう!

1.地方公務員のイメージって?

地方公務員って、どんなイメージがありますか?
皆さんが目にすることの一番多い市役所や区役所の窓口で戸籍や住民票といった証明書を交付する人たちの姿が、まず最初に浮かんでくるのではないでしょうか。
ですが、戸籍や住民票などの業務に従事している職員は、地方公務員のうち、ほんの一部に過ぎません
地方行政の業務は幅広く、ふだん私たちから見えない場所でも、多くの職員が働いています。

2.地方公務員の職種あれこれ

「地方公務員」と一口に言っても、いろいろな職種があり、それぞれの地方自治体が、採用試験において、様々な採用区分を設けて募集しています。

(1)行政職の採用区分~事務、技術、資格免許職、専門職

最も人数が多く代表的な職種が『一般行政(事務)』や『事務職』という分類です。

『一般行政(事務)』や『事務職』の受験資格として、〔学歴区分〕や〔年齢要件〕などを満たせば、特別な資格や技術を必要としないことが多く、受験者の幅が広いので比較的多くの層が受験しやすい傾向にあります。
自治体によって、『事務職』を「行政コース」と「福祉コース」に分けて募集しているところもあります。
また、同じ「事務」でも、市役所や区役所、県庁などで、さまざまな業務に従事する「一般行政」や「一般事務」と、学校の事務を専任で受け持つ「学校事務」は、業務の内容も場所も異なりますので、分けて考える必要があります。
「教育行政」という採用区分を設けている場合もあります。

次に多いのが『技術職』あるいは『一般技術』です。
この『技術職』には、最も多い「土木」のほか、「土木保全」、「総合土木」、「建築」、「電気」、「機械」、「造園」、「化学」、「衛生」、「畜産」、「畜水産」、「水産」、「農業」、「農政技術」、「農学」、「林業」、「農林整備」、「普及」、「環境」など、非常に多岐にわたっており、また、呼び名もさまざまです。
大学で言えば、理系の学部・学科で学んできた知識や技術が求められることも多いので、大学で選択した学科、履修した科目によって、どの採用区分が最も適しているかを検討していく必要があります。

『一般事務』(学校事務は含まない)と『一般技術』の職員は、概ね『行政職』と呼ばれる自治体が多く、地方行政の職責を担う立場となります。

『資格免許職』についても、『行政職』に含まれる職種が多くあり、専門的な資格や免許を必要とする知識・技術を活かして、地方自治体の住民の健康や福祉に携わったり、自治体の幅広い行政運営にかかわる『行政職』として活躍することが期待されています。

大きく『資格免許職』に分類されるものとしては、
「獣医師」、「薬剤師」、「保健師」、「看護師」、「管理栄養士」、「保育士」、「幼稚園教諭」、「衛生監視員」、「心理士」、「臨床検査技師」、「作業療法士」、「理学療法士」、「言語聴覚士」、「診療放射線技師」、「歯科衛生士」「司書」など、多種多様な職種の採用区分が挙げられます。

その他にも、『特別の知識や技術、経験が必要な職種』として、
「学芸員」、「文化財調査員」、「精神科療法士(セラピスト)」、「心理職員」、「動物専門員」など、それぞれの自治体で必要な採用区分で募集が行われています。

ただ、自治体によって、また年度によっても採用予定数がごく少数である場合や、現在採用していない職種もありますので、確認が必要です。

★表1 行政職、専門職の主な職種と採用区分(※自治体により異なります)

職種(大) 職種・採用区分(中) 職種・採用区分(小)
行政職、
一般行政(事務)、
総合行政(事務)
事務、一般事務、
行政事務
行政コース、福祉コース、社会福祉、デジタル、情報など
総合事務 デジタル・クリエイティブ枠など
デジタル デジタル
福祉 社会福祉、心理
行政職、
一般行政(技術)、
総合行政(技術)
技術、一般技術、
総合技術
土木、土木保全、総合土木、建築、電気、機械、造園、化学、衛生、畜産、畜水産、水産、農業、農政技術、農学、林業、農林整備、普及、環境、情報、電気・電子・情報など
行政職
※職種による
資格免許職 獣医師、薬剤師、保健師、看護師、管理栄養士、保育士、幼稚園教諭、衛生監視員、心理士、臨床検査技師、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、診療放射線技師、歯科衛生士、司書など
専門職、行政職
※職種による
特別の知識や技術、経験が必要な職種 学芸員、文化財調査員、精神科療法士(セラピスト)、心理職員、動物専門員など

事務や技術、資格免許職といった主な『行政職』を一覧表にまとめると、上の表1のようになりますが、実際の募集の際には、学歴別や級別などの区分も職種毎に設けられていることがほとんどです。

(2)学歴別、級別の採用区分

最終学歴で、どの区分の学校を卒業しているか、あるいは卒業見込か、ということで、『学歴別』に採用区分を分けている自治体が多く見られます。

■「大学卒」、「大学院卒」、「短大卒・高等専門学校卒・専門学校卒」、「高校卒」の学歴別に募集している自治体や、

■「上級」、「中級」、「初級」という区分の募集をしている自治体、

■「A」、「B」、「C」区分での募集を行っている自治体などがあり、さらに

■「就職氷河期世代」や「職務経験者・社会人」を別枠で募集しているところもあります。
※なお、「大学院卒」は「大学卒」区分に含まれる自治体が多いです。

~ちょこっとメモ~

一般的に,
採用人数を多く見込む標準的な試験スケジュールとして
〇「大学卒」程度や「上級」区分は、6月頃など春から夏にかけて
〇「短大卒・高等専門学校・専門学校卒」程度や「中級」区分は、9月頃など秋に
〇「高校卒」程度や「初級」区分も、9月頃など秋に
一次試験を実施している自治体が多い状況となっています。

ちなみに、国家公務員は「総合職」と「一般職」に分けて、募集されています。

(3)消防、警察、教育職員

また、市民の安全を守る業務に従事する職として、

「消防士」あるいは「消防吏員」の採用区分もあります。
▶住民の安全を守る「警察官」や「警察行政職員」などについては、それぞれの都道府県の警察本部で募集しており、県単位の管轄区域で人事配置がなされます。

▶市立、都道府県立の小学校、中学校、高校の「教諭」や公立幼稚園の「幼稚園教諭」も、地方公務員となります。
通常、教育委員会で採用試験を実施していることが多いですので、それぞれの教育委員会のホームページをご確認ください。
なお、「教育行政」や「学校事務」は、都道府県(政令指定都市を除く)や市の人事委員会で募集している自治体が多いですので、こちらもそれぞれの自治体のホームページなどをご覧ください。

★表2 消防職、警察職、教育職員の主な採用区分

職種(大) 職種・採用区分(中) 職種・採用区分(小)
消防職 消防士、消防吏員 救急救命士、一般、専門
行政、建築、電気、化学
警察職 警察 警察官、
警察行政職員、技術職員、研究職員
教育職員 教員 小学校教諭、中学校教諭、高等学校教諭、幼稚園教諭
教育行政職 教育行政
学校事務職 学校事務

(4)現業職

▶ここまで挙げてきた職種の他にも、大きく分けて『現業職』という職種があります。

『現業職』は、管理工や機械工、自動車運転手などの「技能職員」
清掃業務や用務員、調理員といった「業務職員」などの職種がありますが、
中卒、高卒、短大卒、専門学校卒、高等専門学校卒に限られるなど、四年制大学卒業者は受験資格がない場合もあります。

『現業職』の採用については、人事委員会ではなく、多くの自治体では市の人事課などが募集しています。
市営交通がある自治体では、市交通局などが「地下鉄運転手」や「バス乗務員」などの採用区分で募集している場合もあります。
自治体により異なりますので、ご確認ください。

★表3 現業職など

職種(大) 職種・採用区分(中) 職種・採用区分(小)
現業職 技能職員 管理工、機械工、自動車運転手など
業務職員 清掃業務、学校用務員、調理員など
交通局企業職員/現業職 技能職員 地下鉄運転手、バス乗務員、電車運転手、
市営交通乗務員など

 

(5)会計年度任用職員

▶また、フルタイムの常勤職員の他に、『会計年度任用職員』という職があります。
『会計年度任用職員』は、地方公務員法改正によって、令和2年度から導入された制度であり、「地方公務員」に位置づけられた職員です。

自治体や職種により勤務時間は異なりますが、たとえば週30時間勤務など、勤務時間数や勤務日数が、常勤職員(通常、基本の勤務時間が週38時間45分など)と比べて短い職種も多く、会計年度で1年ごとの任用(更新)となります。

『会計年度任用職員』にも、さまざまな業務がありますので、業務や職の専門性などにもよりますが、更新の上限年数が決まっている職も多くあります。
自治体によって、また職種や業務内容により異なりますので、確認が必要です。

3.自治体によって異なる職種分類

職種の分類や名称は、これまでにも述べてきたとおり、都道府県庁や市役所などそれぞれの地方自治体によって異なることも多いので、詳しくはそれぞれの自治体や人事委員会のホームページ、採用試験パンフレットなどで、最新の情報を必ず確認してください。

ここでは、政令指定都市の状況を事例として挙げていきます。

…★表1 参照

「事務」の職域は幅広く、
札幌市は「一般事務」を「行政コース」と「福祉コース」に分けて募集し、
神戸市は「総合事務」の中で、「デザイン・クリエイティブ枠」を別に募集しています。
北九州市は、「事務」の中で、「デジタル」区分を設けており、
千葉市は、「事務」の中で「情報」区分を設けています。
一方、横浜市は「事務」とは別に「デジタル」区分で募集しています。

上述の「福祉」についても、川崎市のように「社会福祉」と「心理」を分けて募集しているところもあります。
千葉市は、大学卒事務が含まれる『上級』区分とは別に、『資格免許職』で「心理士」を募集しています。
京都市は、『専門職』として「心理職員」の採用区分を設けています。
浜松市では、「事務」の中で、「社会福祉」の採用区分を設けています。

「情報」区分を「事務」の中で募集している自治体もあれば、
「技術」の中で「情報」にかかる区分を募集している自治体もあります。
大阪市では、「技術」の中で、「電気・電子・情報」という区分の募集をしています。

「技術」の内容はきわめて種類が多く幅広いので、自治体により様々な採用区分が設けられています。

京都市では、「農業」と「農林整備」、「造園」をそれぞれの区分で募集しています。
また、獣医師でも、札幌市のように、「獣医師」区分ではなく、『一般技術』のうちの「衛生職」の区分の中で採用となることもあります。

さらに、千葉市は、「事務」や「技術」区分の他にも、「消防士」区分の中で、「救急救命士」、「行政」、「建築」、「電気」、「化学」と各採用区分で募集しています。
主にどんな場所で仕事をしていきたいか、希望がある場合にはそれらも考えた上で申込をすることが良さそうです。

4.まとめ~地方公務員は幅広い!

ふだん市役所や区役所の庁舎、またさまざまな施設において、どんな仕事をしているのかなかなか目にすることのない職員が、日々さまざまな業務に取り組んでいることについて、少しイメージが湧いたのではないでしょうか。

自分のこれまでの専攻や経験、得意なことを活かせる職業は何なのかを考える際には

① 幅広い領域で異動しながら、様々な仕事をすることができる
あるいは
② 知識や技術を活かして、長い期間じっくりと専門的に取り組む

上記の①と②のうち、どちらが自分に向いているのか、考えてみることをおすすめします。

地方公務員は、①の幅広い領域で様々な仕事をすることが多いですが、専門的な職種の場合や自治体によっては、②の長い期間じっくりと専門的に取り組むことを想定されている場合もあります。

ご自身の職業として、さまざまな仕事にチャレンジできる《地方公務員》を、大きな選択肢として検討してみてはいかがでしょうか?

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