政令指定都市で、ここ数年特に多くなってきている「春試験」「早期実施枠」。
「政令指定都市の採用最前線!春試験情報(2)」と題して、ここでは京都市、神戸市、福岡市の最新試験情報とSPIについて、いち早く解説します!
1.令和7年度に春試験、早期実施枠が設けられている政令指定都市は?
おおむね3月に申込受付、4月に採用試験が実施される政令指定都市の春試験。
全部で20都市ある政令指定都市のうち、京都市、神戸市、福岡市の春試験は、次の通り実施されます。
※詳細は、市のホームページなどで令和7年度採用試験案内を必ず確認してください。
▶京都市
京都方式〔上級〕という早期枠の採用試験(一般事務職・行政)を、3月1日~28日申込、4月3日~16日に第1次試験で実施。約130名採用予定。学歴・職歴を問わず、年齢要件で受験可能ですが、大学卒業程度とされています。
ただし、6月実施の全試験及び 11 月実施試験〔上級(秋季枠)一般事務職(行政)〕と併願することはできません。
京都方式〔上級〕(一般事務職・行政)
・基礎能力試験(SPI)をテストセンター会場で性格検査とともに受験。
・口述試験(個別面接)は、第1次から第3次まで実施。
・第2次口述試験の際に課題作文も実施。この課題は第1次試験合格時に示されるので、第2次試験までの間にしっかりと検討しておくことができます。
また、京都市で生活保護や児童福祉などの業務に従事する〔上級先行実施枠〕一般事務職(福祉)は、3月14日正午までが受付で、3月23日に集合形式で第1次試験が実施されますので、注意が必要です。
・基礎能力検査をSPI方式で実施。専門確認シートを提出。
・第1次口述試験(個別面接)をWeb上で実施。
・第2次口述試験(個別面接、プレゼンテーション)
▶神戸市
神戸市は、大学卒採用試験を【適性検査方式】と【基礎的能力・専門試験】の2方式で実施します。
○総合事務で公務員専願の方と交通事務区分の方には
→後者の【基礎的能力・専門試験】(6月15日実施)を、
○「総合事務区分で民間企業と公務員を併願する方」及び「福祉・技術系の公務員を志望している方」には
→前者の【適性検査方式】(3月28日~4月6日)の受験をすすめています。
ここでは、神戸市の春試験である【適性検査方式】について説明します。
受付期間は3月1日~24日正午まで。
大学卒は24歳以下、大学院卒は26歳以下(申込年度の翌年4月1日現在)で、採用が令和8年4月1日もしくは令和7年10月1日となっています。
・第1次試験に、適性検査(SPI3)を実施。
※※第1次試験合格者は、第1次試験の合格発表後に事前課題レポートを提出(配点なし)。
・第2次試験は、個別面接をWeb上で実施。
・第3次試験は、個別面接を対面方式で行うとともに、グループワークを実施。
神戸市を含む基礎的自治体が抱える課題について、グループで議論し、提案・発表。試験当日にテーマが指示されます。
【適性検査方式】は、最終合格発表が6月上旬と従来の公務員試験よりも早いので、民間企業の就職活動と並行して行うことが可能です。
▶福岡市
福岡市の採用試験は、上級(先行枠)が行政事務(行政)などに設けられています。
3月3日~18日受験申込で、SPI方式が取られています。
上級(先行枠)・行政事務(行政)
・第1次試験の教養試験として、SPI3の基礎能力試験を実施。
※性格検査も口頭試問の参考とするため実施されます。
・第2次試験は、口頭試問として、個別面接をWeb上で実施。
2.SPI方式の公務員試験とは?
では、公務員試験の春試験(早期実施枠)で多く実施される「SPI方式」とは一体どのような試験なのでしょうか?
多くの民間企業でも適性検査として実施されるSPI。
SPIは、大きく「能力試験」と「性格検査」に分けられます。
このうち「能力試験」とは、仕事をする上で必要となる知的能力を測る検査で、「言語分野」と「非言語分野」とがあります。
「言語分野」では、言葉の意味や話の要旨を的確に捉えて理解できる力を測る問題、
「非言語分野」では、数的な処理や論理的思考力を測る問題が出題されます。
求められる能力は企業や団体によって異なりますので、この場合は地方自治体での業務を行う基礎的能力があるかを測る試験、ということができるでしょう。
SPIの詳しい内容については下記の記事もご覧ください。
「政令指定都市の採用最前線!春試験情報(1)」~横浜市、さいたま市、札幌市、名古屋市~も、合わせてご覧ください。