地方公務員の行政職と現業職の違い|転任制度や自治体別採用情報も紹介
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地方公務員にはさまざまな職種がありますが、大きく分けて「行政職」と「現業職(技能職・業務職・技士など)」に区分されます。本記事では、両者の違いや「現業職」から「行政職」への転任制度について、また具体的な自治体の採用試験についてもご紹介します。
この記事の目次
1.地方公務員の「行政職」と「現業職」とは?
地方公務員の職種は、大きく「行政職」と「現業職」に分類されます。
- 行政職:事務職や技術職などが含まれ、地方自治体の施策の企画・実施や各種実務に従事します。
- 現業職:運転業務、機械操作、清掃・土木など現場業務に従事する職種です。技能職や業務職とも呼ばれます。
なお、現業職の受験資格は自治体によって異なり、四年制大学卒では受験できないケースもあるため、試験案内に記載された学歴要件の確認が必要です。
2.現業職から行政職への転任とは?
たとえば、運転士(技能職)から事務職(行政職)への転任を希望する場合、一定の勤務年数や経験を積んだ上で、転任試験に合格すれば行政職へ転任可能です。
転任後は、通常の行政職員と同様の業務を担い、将来的には係長や課長といった管理職へ昇任することも可能です。
ただし、すべての自治体が転任制度を設けているわけではありません。また、転任試験の倍率が高い場合もあります。そのため、はじめから行政職を希望している方は、行政職採用試験を受験するのが望ましいでしょう。
3.現業職の主な募集情報(自治体別)
都道府県や政令指定都市、特別区では、人事委員会が設置されており、一般的な行政職の採用試験はこの人事委員会が実施しています。
一方で、現業職(技能職・技士など)の採用試験については、市長などの首長が実施するケースも多く、その場合の採用事務は職員部人事課などの市長部局が担当しています。
そのため、人事委員会のホームページとは別のページに、以下のような名称で掲載されていることがあります。
- 現業職採用選考
- 技能職採用試験
- 技士採用案内
例年募集されている現業職、技能職については、たとえば下記の政令指定都市における採用試験などがあります。
現在募集されていない自治体であっても、夏から秋にかけて新たな採用情報が発表されることが多いため、気になる自治体の公式サイトをこまめにチェックするのがおすすめです。
名古屋市 緑政土木局の現業職採用試験(令和7年度)
名古屋市の緑政土木局では、道路・河川・公園・緑地の維持管理や、排水ポンプ施設の操作などに従事する現業職員の採用選考を実施しています。以下は、令和7年度採用試験に関する詳細です。
◆ 募集職種と業務内容
職種 | 主な業務内容 | 学歴要件 |
---|---|---|
土木現業 | 土木事務所などでの道路・河川・公園・緑地等の維持管理業務 | 中学校卒業以上 |
ポンプ操作 | ポンプ管理施設事務所での河川・雨水排水ポンプ施設の操作業務 | 高等学校卒業以上 |
※その他要件:各職種ともに、免許や履修科目等の指定があります。詳しくは公式の試験案内をご確認ください。
◆ 試験スケジュール
- 申込期間:令和7年5月31日まで
- 第1次試験日:令和7年7月5日(金)
◆ 試験内容
試験区分 | 内容 | 目的 |
---|---|---|
第1次試験 |
|
基礎的な学力・文章力を測る |
第2次試験 |
|
人物・体力面の総合評価 |
現業職は、実際の現場での作業や対応力が求められる職種です。書類上の要件に加え、日頃からの体調管理や基礎体力の維持も重要な準備の一つです。
名古屋市「環境局技士」の採用情報(令和6年度)
ここからは、昨年度募集の内容を参考として取り上げさせていただきます。令和6年度の「環境局技士(清掃職員など)」の募集について、9月申込・10月第1次試験の日程で実施いたしました。以下は、その主な内容です。
職種 | 業務内容 | 応募要件 | 備考 |
---|---|---|---|
環境局技士(清掃職員など) | 技士・清掃運転士として、ごみ収集等に従事 | 中学卒業以上 年齢要件あり |
行政職等へ転任可能(転任試験あり) |
試験内容
- 第1次試験(択一式)
- 教養試験(知識分野:社会・人文・自然の一般知識)
- 教養試験(知能分野:文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈)
- 第2次試験
- 作文試験
- 体力検査
- 口述試験(個別面接)
川崎市の技能・現業職員採用選考(令和6年度)
川崎市では、技能・現業職員の採用選考を令和6年度も実施しています。年齢・免許要件などを満たせば、学歴不問で応募可能な点が特徴です。
◆ 募集概要
職種 | 備考 |
---|---|
技能・業務職員 |
・A・B・Cの各区分あり ・年齢要件および運転免許などの資格要件あり ・学歴要件なし(不問) |
◆ 試験スケジュール
- 申込期間:令和6年6月~7月
- 第1次選考日:令和6年9月
◆ 選考内容
選考区分 | 内容 |
---|---|
第1次選考 |
・教養試験:社会・人文・自然、文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈 ・作文試験 |
第2次選考 |
・体力検査 ・個別面接 |
札幌市の現業職員採用選考(令和6年度)
札幌市では、業務職員・技能職員としての採用を令和6年度も実施しています。四年制大学卒業(見込み含む)の方は受験できない点が特徴で、学歴要件に注意が必要です。
◆ 募集職種と業務内容
分類 | 職種 | 主な業務内容 |
---|---|---|
業務職員 | 清掃業務員 | ごみ収集・運搬(清掃事務所勤務) |
用務員 | 学校施設の清掃、巡視、除雪など | |
調理員 | 保育園・学校での調理業務 | |
技能職員 | 機械工 | 水処理センターでの機械運転・維持管理 |
管理工 | 清掃工場などでの設備管理・運転 | |
自動車運転手 | 各種公用車の運転業務 |
◆ 受験資格
- 年齢要件あり(詳細は年度ごとの試験案内を参照)
-
学歴要件:以下のいずれかに該当する方のみ受験可
- 中学校・高等学校卒業(見込み含む)
- 短期大学・高等専門学校卒業(見込み含む)
- 専門職大学(前期課程)修了(見込み含む)
- 四年制大学卒業(見込み含む)の方は受験不可
- 技能職は、免許等の要件あり
- 個別の職種を指定しての受験は不可(総合選考)
◆ 試験スケジュール
- 申込期間:令和6年9月
- 第1次選考:令和6年9月~10月
◆ 選考内容
選考区分 | 内容 | 形式 |
---|---|---|
第1次選考 |
・総合適性検査(SPI3) (性格検査、基礎能力検査/高卒レベル) ・言語・数的処理・論理的思考力を測定 |
テストセンター方式 |
第2次選考 | 面接試験(人物評価) | 個別面接 |
4.まとめ
地方公務員には多様な職種があり、現業職から行政職への転任も制度上可能です。ただし、自治体ごとに受験資格や転任制度の有無が異なりますので、必ず最新の試験案内を確認しましょう。
また、自分がどの職種で働きたいのかをしっかりと考えた上で、納得のいくキャリア選択を行うことが大切です。