行政職への転任とは?~現業職、技能職から行政職への道~ | ASK公務員 - 個別指導/論文・面接カード添削の公務員試験対策塾

行政職への転任とは?~現業職、技能職から行政職への道~

  • 2025年5月8日
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ASK公務員 編集部
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地方公務員の職種には、さまざまな種類がありますが、大きく分けて「行政職」と「現業職」(技能職、業務職、技士など)という区分があります。

その職種の違いはどのようなもので、職種転換は可能なのでしょうか。
ここでは、地方自治体で実施されることも多い「現業職」から「行政職」への転任について、説明していきます。

1.地方公務員の「行政職」と「現業職」とは?

地方公務員には、大きく分けて「行政職」と「現業職」があります。

「行政職」は、一番人数の多い事務職や技術職などをさすことが多く、地方自治体の各種施策の企画や実施、実務に携わります。

「現業職」は、技能職や業務職といわれることも多く、運転業務や機械操作、現場の作業などにつくことが多い職です。

現業職は、受験資格が地方自治体の募集区分によって異なり、高卒はほとんどの地方自治体で受験することができますが、四年制大学を卒業していると受験資格がない場合もあります。二年制の短期大学や専門学校卒業の場合は受験できるなど、個別の試験案内で受験資格の学歴を確認することが必要です。

2.「現業職」から「行政職」への転任とは?

たとえば運転士(技能職)から事務職(行政職)への転任を希望する場合に、一定の経験をつんだ上で転任試験に合格すれば、事務職(行政職)に転任することが可能となります。

転任した後は、通常の行政職員としての施策に携わる仕事に就きますので、数年後に昇任試験を受けるなどして、係長、課長などへと昇任していく場合もあります。

ただし、すべての地方自治体で行政職への転任試験を実施しているとは限りません。

また、転任試験の倍率が高かったり、なかなか合格できなかったりということもありますので、初めから行政職をめざしているという方は、まずは行政職の採用試験への準備をして受験するのが良いでしょう

3.現業職の募集には、どのようなものがあるのか

都道府県と政令指定都市、特別区には、人事委員会が設置されています。
行政職の採用試験は、都道府県や政令指定都市、特別区であれば人事委員会が実施しているのに対し、現業職の募集と採用試験は首長(市長など)が実施していることも多く、その場合の具体的な採用事務は職員部人事課などの市長部局が実施しています。

そのため、人事委員会のホームページとは別のページに「現業職採用選考」「技能職採用試験」「技士採用案内」などと掲載されていることもあります。

例年募集されている現業職、技能職については、たとえば下記の政令指定都市における採用試験などがあります。
現在募集されていない現業職、技能職についても、夏から秋にかけて発表されるところが多いので、興味のある地方自治体のホームページなどでご確認ください。

◎名古屋市

●緑政土木局令和7年5月31日まで申込、令和7年7月5日 第1次筆記試験
 ・土木現業(土木事務所等での道路、河川、公園・緑地等の維持管理業務)
 ・ポンプ操作(ポンプ管理施設事務所での河川・雨水排水ポンプ施設の操作業務)
 学歴要件は、土木現業:中学卒業以上、ポンプ操作:高校卒業以上。
 免許や履修科目などの要件あり。試験案内を参照してください。
 〔試験内容〕
第1次試験
  教養試験…文章理解、数的処理、自然・人文科学など
  作文試験…表現能力をみる試験
第2次試験
  面接試験、体力検査

また、名古屋市の「環境局技士」については、令和6年度募集(9月申込、10月第1次試験)の内容を掲載しますので、参考にしてください。
●環境局技士(清掃職員など)
 技士、清掃運転士として、ごみ収集などに従事。
 学歴要件は中学卒業以上。年齢要件あり。
 行政職等へ転任することが可能(別途、転任試験を受験する必要あり)。
 〔試験内容〕
第1次試験 択一式
  教養試験…知識分野(社会、人文、自然に関する一般知識)
       知能分野(文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈)
第2次試験
  作文試験、体力検査、口述試験(個別面接)


◎川崎市令和6年技能・現業職員募集(6月~7月申込、9月第1次選考)については、以下の通りですので参考にしてください。
●技能・業務職員
 A、B、C区分があり、年齢要件の他に運転免許などの要件あり。
 学歴は問わない。
 〔選考内容〕
第1次選考 択一式
  教養試験…社会、人文、自然、文章理解、判断推理、数的推理、資料解釈
  作文試験
第2次選考
  体力検査、個別面接


◎札幌市の現業職採用選考については、令和6年度(9月申込、9月~10月第1次選考)の内容は以下の通りですので、参考にしてください。
●業務職員
 ・清掃業務員…清掃事務所に配属、ごみ収集・運搬など
 ・用務員…小、中学校、高校に配属、施設内外の巡視や清掃、除雪など
 ・調理員…保育園、小、中学校で調理業務など
●技能職員
 ・機械工…水処理センターなどに配属、施設の維持管理、機械の運転操作など
 ・管理工…清掃工場などに配属、施設の維持管理、機械の運転操作など
 ・自動車運転手

年齢要件あり。
学歴要件は中学校、高等学校、短期大学若しくは高等専門学校を卒業若しくは卒業見込みの者、専門職大学前期課程を修了若しくは修了見込みの者。
四年制大学卒業(見込み含む)者は、受験資格がありません。
技能職員については、免許などの要件あり。
※個別の職種を指定しての受験はできません。
〔選考内容〕
第1次選考
  総合適性検査(SPI3)…性格検査、基礎能力検査(高卒レベル)
  言語的理解力や数的処理能力、論理的思考力について、テストセンター方式で行われます。
第2次選考
  面接試験

4.まとめ

地方公務員には様々な職があり、現業職、技能職として採用された後に、転任試験を受験して合格すれば、事務職や技術職などの行政職に転任する道もあります。

ただし、地方自治体によって現業職の受験資格にかかる学歴要件などが異なりますので、必ず最新の試験案内をご確認ください。

また、必ず転任できるとは限りませんので、ご自身がどの職種で仕事をしていきたいかをしっかりと検討してから申し込むようにしましょう。

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