特別区の論文試験の対策として知っておくべきこと

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論文試験の対策は何から手をつければいいかわからない、そもそも論文の勉強なんて必要なの?と感じている人もいるのではないでしょうか。

特別区に限らずほとんどの公務員試験では論文試験が課せられますが、このような悩みがある人は非常に多いものです。

論文試験は他の筆記試験に比べぞんざいに扱われる傾向にあり、あまり対策をせずに本番に臨む人が多いのも事実です。

しかし、決して他の試験よりも配点が低いわけではなく、しっかりとした対策をしないと不合格になることは十分にあります。

ここではそうした対策の難しい特別区の論文試験についての傾向や勉強方法について解説していきますので参考にしてください。

特別区の論文試験の傾向

特別区の試験(大卒・事務)では一次試験として、教養試験、専門試験、性格検査そして論文試験が出題されます。

特別区の論文試験は法律などの専門的な内容のものではなく、高齢化や災害対策などの社会問題に対して区の職員としてどのように考え、そうした課題をどう解決すべきかという思考を見られるものとなっています。

つまり、択一試験では知識の有無を判断し、面接ではその人の考え方やコミュニケーション力を見ますが、論文試験では受験生の思考力や表現力などが評価されます。そして、区の職員として問題意識(課題)を把握しているかということも問われます。

巷では教養試験や専門試験で高得点でも論文が書けなければ落ちるという噂もありますが、その真偽は不明です。 しかし、択一試験で高得点を取っているにも関わらず1次試験で落ちる人もいるということを考えると、マークミスとかでない限り論文試験で点数が足りなかったとしか考えられないわけです。論文試験の配点が実はかなり高いんじゃないかなどと言われていますが、とりあえず平均点を狙えるように基本的な解答方法を身につけて試験に臨んでいく必要があります。

特別区の論文試験は2題中1題を選択することとなっており、文字数は1000字以上、1500字程度となっているので結構な量を書かなければいけません。

 

では、どれくらい書けばいいのか?

少なくとも1000字「以上」となっているので1000字は書かないとマズいでしょう。これ以上であれば特に問題はないだろうと思いますが、私が受験時代に講師から聞いたときには8割以上、つまり1200字以上書いておけば大丈夫でしょう、とのことでした。

たくさん書いて減点ということもないでしょうし(関係ないことを書いてはいけませんが)、これぐらい埋めておけば安心かなと思います。逆に文字数が少ないと不安になりますので、とにかく字数を稼ぐことを意識しましょう。

 

まずは論文を書くうえでの基本をおさえよう!

そもそも論文とは何なのかということですが、論文は論理的な文章を書くということであり、根拠や理由をもとに自分の意見を主張していきます。

作文はただ単にこう思います、と自分の感想を述べるだけのものですのでこれは論文とは違います。ですので、論文を書くうえでは作文にならないように気をつけてください。

昔、夏休みの宿題で読書感想文を書かされた人も多いかと思いますが、そのときに原稿用紙を使って文章を書きましたよね? 論文試験でも原稿用紙を使い論文を書いていくのですが、間違った書き方をすると減点されてしまいますのでまずは基本的な書き方について出来れば本などを参考に身につけていってください。

そして、誤字脱字でも減点されてしまうことも注意してください。今はパソコンやスマホなどで文章を作成することが多くなっているのでどうしても手書きで字を書く機会が減り、漢字は忘れやすくなっています。

いざ論文を書くと、「あれ、どう書くんだっけ?」という瞬間によく出くわします。とはいえ今から漢字ドリルなどをやるのも時間のムダですので、自信のない漢字はひらがなで書くか、別の言葉で表現するという方法があります。

漢字で書くべき部分をひらがなで書いて減点にならないかはわかりませんが、別の表現であれば何ら問題はないと思います。

また、論文を書くときには採点者に読んでいただくという意識を持つことです。 字が薄いものや殴り書きで汚いものなどは採点する側としてもあまり読みたい気持ちにさせるもにではないですし、そもそも読めなければ採点のしようがありません。

時間に追われ焦る気持ちもわかりますが、下手でもいいので「丁寧にはっきり書く」ことを意識していきましょう。

このようにまずは論文の基本をまずは抑えた上で対策をするようにしていく必要があります。

実際に過去問を見て論文の書き方を覚えよう!

実際に過去問を見ながらどうやって書いていけばいいかを見ていきたいと思います。

ある程度論文の基本を身につけたらあとは練習あるのみです。とは言ってもまずは論文を書くにあたりどのような構成で文章を作成していかなければならないかを理解しなければいけません。ここでは実際に26年度の問題を書き方を見ていきましょう。

2題中1題を選択すること。

(問1) 区民の健康志向や環境への配慮などにより、自転車の利用者が増えていますが、それに伴い、歩行者や自動車との接触事故や放置自転車の増加など、多くの問題が起きています。このような現状を踏まえ、特別区の職員として、地域社会において自転車を安全かつ安心して利用できるまちづくりについてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

(問2) 政府は2030年までに訪日外国人旅行者を年間3,000万人とする目標を定めており、外国人旅行者の誘致に取り組む自治体が増加しています。また、我が国に居住する外国人には地域活動への参加などが期待されています。一方、都内の中小企業は海外に販路を広げるなど、地域を取り巻くグローバル化の流れは一層加速しています。 今後、オリンピック・パラリンピックの開催に向けて海外からの東京に対する注目度も一層高まっていく中で、グローバル化の流れを積極的に施策に反映していくために、特別区の職員としてどのように取り組むべきか、あなたの考えを論じなさい。

 

どちらも最近話題になっている時事的な内容について、特別区の職員としてどのように取り組むか、ということが問われているのがわかります。

少子高齢化や環境問題、災害対策などについては今ホットな話題であり、今後出題されることが予想されますので、普段からニュースはチェックしておいてください。

また、時事的な内容以外にも、24年度は説明責任(アカウンタビリティ)についてどのように果たすべきか、23年度は地域コミュニティの活性化について考えを論ぜよ、という自治体としてのあり方を問われる場合もあります。

なので必ずしも時事的な内容ばかりではないのですが、これらの年ももう1題は時事的な内容になっていますのでやはり普段からニュースはチェックしておいたほうがいいですね。

論文を作成するにあたって構成を考えなければなりませんが、どのような問題であっても「①現状→②課題→③解決方法→④まとめ」という流れで基本的には大丈夫です。

http://www.lec-jp.com/koumuin/juken/pdf/2014/toku_kyouyouronbun_1.pdf

問1の回答例をLECの模範解答から持ってきましたので見てみてください。慣れるまではこうした模範解答を研究して真似て書いてみるというのも上達の近道になります。

 

解答の流れ

まず、

現状として、自転車は健康志向や省エネ意識を背景に自転車の利用が増加している。

課題として、自転車の交通マナーなどが悪いので歩行者などに危険・迷惑がかかっている。さらに、駅周辺の放置自転車は歩行者の安全性だけでなく、まちの美観も損ねる要因となっているので自転車を安全に利用できるまちづくりをしていかないといけない。

解決方法として、 第一に自転車利用の環境の整備をする。 駐輪場の整備だけでなく区のホームページなどで地図情報をアップし、リアルタイムで空き情報も把握できるようにすることで放置自転車対策と駐輪場の利用を促進していく。 さらに、地下を活用した駐輪場は用地の確保が難しい都市部では有効である。

第二に、自転車利用の適正化の促進をする。 放置自転車撤去の強化を図っていく。放置自転車を減らすためにレンタサイクルの導入も有効であろう。貸出しの拠点を駅周辺の駐輪場や商業施設に確保すれば観光目的としても利用することができる。

最後に、自転車の安全利用のための広報と教育を行う。 区としてルールやマナーの周知を図る必要がある。自転車は車両であるということえお利用者に認知させ、交通マナーを守ることの重要性を認識させる。そのために交通安全教室の他、区民などと協働に学習プログラムを開催し、広報していく。こうしたルールやマナーを啓発を図ることで利用者の意識の変革を促すことができる。さらに優良自転車ドライバーについて表彰するような制度があればよりいいかもしれない。

まとめ 以上のように、駐輪場の整備とともに、ルールやマナーの向上を図ることで、区職員として自転車を安全かつ安心して利用できるまちづくりを進めていくべきだと私は考える。

 

このような流れで文章を作成することで、「起承転結」がはっきりとし読みやすく説得力のある論文になります。それではそれぞれの構成についてどのように考えていけばいいのかを見ていきましょう。

 

現状 自転車の利用が増えているという現状は問題文に記載されているので、そのまま拾ってこればいいでしょう。

課題 自転車利用が増えることによる事故の危険性や歩行者の安全性、放置自転車により美観を損ねるといった課題をあげています。

この課題の部分では「こういうことが今課題になっています」と「問題提起」をし、「じゃあ特別区職員としてどのように取り組んでいくか?」という流れにもっていくようにしましょう。課題として考えられるものを第一、第二、最後にと箇条書きにしていき、それにちゃんとした文章になるように肉付けをしていきます。

解決方法 ここがメインであり最も難しい部分でもあります。

先に上げた課題にたいして、じゃああなたが区の職員になったらどのように解決していきたいかということを述べていってください。

 

これが正解というのはないので、いいなと思うものを書いていけばいいでしょう。ただし、あくまで自治体の職員としてできることを書いていきますので、あまりに非現実的なものや実現不可能なもの、区長じゃないと決められないようなスケールの大きいものなどはやめておいたほうがいいでしょう。

また、個性あふれるものや独創的である必要はないかと思われます。模範解答を見てもらえればわかりますが、どこかで聞いたような話ばかりでこれといって目新しいものは見受けられませんよね。

 

学生の考える独創的なものというのはなかなか行政として実施するのは難しく、やれるならとっくにやってるわ!というものや、それってどうなの?というものがほとんどかと思います。ですので、突飛な解答は狙わず、間違いない無難な解決策を書いていけば問題ないでしょう。 ただ、知識のストックが無ければその無難な解決策を引き出せないので、様々な模範解答を読んだり、区のホームページなどで実際にやっていることを調べたりして引き出しを増やす努力はしていきましょう。

あと、これは公務員時代に感じたことなのですが、役所というのは「区民等と恊働」という言葉が大好きです(笑)。なので、区として勝手にやるのではなく、区民や事業者と一緒にやっていきましょう、という流れにもっていけばベターな解答が作れます。

まとめ 解決策をまとめ、最後に区の職員としてこういうことをしていくべきだと思います、と締めれば大丈夫です。

これを見てどう感じましたか?こんなの書けないよ!と思われたかもしれません。

でもご心配なく。こんなのはほとんどの人は書けません(私も書けません)。 これはあくまで模範解答なのでとっても優秀な解答ですので、こういう流れで書けばいいんだ、ということをおさえておいてください。

 

実際に論文を書く前に問題用紙の余白にちょこちょこっと解答の流れをメモってから書き始めてください。 特に③の解決方法なんてのは書きながら考えていたら絶対混乱します。なので、箇条書きで簡単にメモしてから清書をしていったほうがいいでしょう。

何はともあれ書いてみよう!

いくら書き方を学んだところで実際に手を動かして文章を書かないと、せっかく身につけた方法や思い浮かんだアイデアも本番でうまく文章として表すことができません。

頭の中で「こういう感じでいいだろう」という段階でとどめるのではなく、アウトプットをしていってください。

教養試験や専門試験でも、テキストを読んだり講義を受けただけではわかったつもりでもいざ問題を解くとさっぱり、ということはありますよね?

それと同じで、論文も書くことで情報をアウトプットしていかなければ、文章を書くのが本当に得意という人でなければいざというときに書けないものなのです。

いつから対策をすればいいのかということですが、早いにこしたことはないでしょう。しかし実際に書き始めるのは特別区試験の1ヶ月前(文章を書くのが苦手な人は2ヶ月前)とかでも私はいいと思います。

やはりそれまでは教養・専門試験も勉強で忙しいでしょうし、たとえば国税専門官などを併願する人は専門科目の論文対策もしなければならないわけですし、なかなか特別区試験の論文対策まで手が回らないかと思います。

もちろん勉強が進んでいていつでも論文対策できるぜという人なら別です。 なので、1ヶ月ぐらい前になれば実際に過去問や予想問題などを書いてみて、できれば人に見てもらい添削してもらってください

予備校に通っているのであれば先生に見てもらい、独学の方は通信添削とかでもいいかと思います。 大切なのは「ひたすら書いて人に見てもらう」という反復練習です。繰り返すことで論文を書く筋力を鍛えていきましょう。 地道ですが確実な方法なので、たとえ最初は書けなくてもコツさえつかめば誰でも書けるようになってきますので、諦めずに続けていってくださいね。

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