公務員試験の行政職を目指している人のほとんどは文系だと思います。そして文系の人は数学がとーっても苦手な傾向があります。
ですが、ミクロやマクロ経済学は公務員を目指す上で捨てるわけにもいかないので何としてでも理解しておきたいところですね。
まず文系の人は「数学=嫌い」といった先入観があるので、数式を見ただけで嫌気がさすというパターンが多いです。
なのでこの思い込みを捨てる必要が重要です。とは言っても数式を見ても何を言ってるのかわからねーんだよーという声も聞こえてきそうですが、よく見てみると全然そんなことはないと気づくと思います。
また、微分というと難しい響きがしますが、公務員試験で使う微分なぞは数学レベルとは言えません。小学校の四則計算ができれば誰でも解くことができます。
答えさえ算出できればいい試験ですので、なぜそうなるかといった細かい知識は不要なわけです。なので、微分の方法と、微分により何が求められるかということさえ抑えておけばいいでしょう。難しい経済の専門書なども必要ありません。
では具体的に例を出してみていきたいと思います。
(例)リンゴをx個、ミカンをy個買ったときの効用関数は以下のとおりである。
U=U(x,y)=3x2y2+xy+4
このとき、第1財(リンゴ)の限界効用MU1を求めよ。
ここでは、あくまで微分の方法についての記述を中心としますので限界効用が何なのかという説明は割愛します。
まず、第1財(リンゴ)の限界効用MU1の求め方ですが、効用関数Uをxで偏微分すればいいわけです。
偏微分というのは簡単に言うとその数式を一つの変数(今回はx)で微分するというものです。なので、効用関数Uをリンゴの数xで微分することで限界効用MU1が求められます。
もう一度効用関数の式を確認すると
U=U(x,y)=3x2y2+xy+4
です。
xで微分するので、yについては無視!あくまでxに注目して微分していくわけです。
具体的な微分の方法
効用関数Uをxで微分する場合、dU/dxとかΔU/Δxとか書きますが、別にどっちも同じようなものだと思ってもらって大丈夫です。
<ステップ1>
まず、3x2y2に注目すると、xは2乗となっています。これを微分すると、3×2x2−1y2=6xy2となります。
微分により変わったところは下線を引いています。
xの2乗の「2」を前に持って来て定数である3にかけ算し「3×2」としています。
そして、もともとの2乗の部分から1をマイナスし、「2−1」 とします。
これだけです。yについては考える必要はありません。
要は、微分するやつの乗数を一番前に持ってきて、その代わりに乗数から1をマイナスしてあげる。
たったこれだけで微分は終了です。
なので、これが例えば5x3y2を微分するとしてもやり方は同じなのです。3乗の3を前に持ってきて、その代わり乗数(3)から1を引いてあげます。
すると、5×3x3−1y2=15x2y2となるわけです。
<ステップ2>
では、続きを解いていきましょう。
次にxyに注目しますと、これについてxについて微分すると
1x1−1y=yとなります。
xの乗数1を前に持ってきて、もともとの乗数1から1を引きます。そうするとxの0乗となりますが、0乗となればとにかく1となるということは覚えておいてください。
なのでx0=1となり、結局残るのはyだけになります。
<ステップ3>
そして最後の4についてですが、微分する変数が入ってなければ無条件に0となると覚えておきましょう。
なので、仮に4yとなっていてもxが入ってないので、4yをxで微分すると0になるわけです。
ステップ1〜3をまとめると
U=U(x,y)=3x2y2+xy+4 について第1財の限界効用MU1は、MU1=dU/dx=6xy2+y
となります。
いかがでしたか?やってることはかけ算だけです。式だけ見るとぱっと見難しそうですが、全然難しくありません。
よかったら第2財の限界効用MU2も求めてみてください。
微分するものの乗数を一番前に持ってきて、その代わりに乗数から1をマイナスしてあげるが原則ですので覚えてください。