集団討論の様子は、あなたの来年の公務員姿。だからこんなところを見られる | ASK公務員 - 個別指導/論文・面接カード添削の公務員試験対策塾

集団討論の様子は、あなたの来年の公務員姿。だからこんなところを見られる

  • 2024年6月27日
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ASK公務員 編集部
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1.集団討論試験の実状

実際に公務員として働いてみて、よく分かったことがあります。

それは、公務員の2次試験で課される集団討論が公務員組織のある一場面にとても似ている、ということです。

具体的には、職場の同僚複数人で問題に対する施策や対策を議論する場面です。

このような場では、予算がかなり限定的で絶対的な正解や解決策がない状況で、より効果的で費用対効果の高い案を模索しなければなりません。

晴れて公務員に採用された方には、そのような日常が待ち構えています。

だからこそ面接官は、受験者に対して「リアルに働ける姿」を見極めようとしているのです。

新型コロナウイルス感染の影響により一斉になりを潜めた集団討論ですが、いつ復活するかは不明です。

しかしこの集団討論は、公務員の実務能力を測るうえで有効な方法です。

大きな都道府県で集団討論の試験が再開されれば、他の自治体でも芋づる式に再開されていく可能性が大いにあります。
いつ再開されても困らないように、この情報が受験者のみなさまに役立つことを願っています。

2.集団討論で好まれる姿勢

そもそも面接官は受験者に対して、行政が抱える問題の具体的な解決を期待していません

私が実際に討論したテーマは「越境入学の是非」でしたが、受験者で明確な解決策が出るはずもありません

しかし、未来の公務員として制限時間内に方向性と一定の結論を導き出す必要があります。

ではそのような状況で、どのような姿勢が面接官に好まれるのでしょうか。

×これはNG
・何も話さない
・批判やネガティブ発言のみ行なう
・非現実的な理想論ばかり語る

面接官が集団討論の中で受験者に見出したいのは、公務員として様々な制約下で現実的に合意形成していくスキルです。
そのようなスキルをアピールするためにも、具体的には以下のことに気をつけましょう。

■「俺が!私が!」という逸る気持ちをぐっと抑える。

試験では自らのスキルや存在をアピールしたい気持ちが勝り、前面に出過ぎる受験者がいます。
こうした姿勢は、「積極性」という面では、評価できるかもしれません。

しかし面接官からは、「このような方が公務員になると、同僚との協調性がなく住民も置いてけぼりにされてしまう」という懸念を持たれてしまいます。
他の受験者からも、いわゆるクラッシャー(場の雰囲気や合意形成を損なう人)と認識されてしまいます。

■ほかの参加者の意見をしっかり聞くことで、「傾聴力」をアピール

公務員組織、とりわけ地方自治体は、傾聴という言葉を好んで使います。
討論中に他の受験者の発言をメモにとったり、自らの発言に引用するなどして、しっかり聴けていることをアピールしましょう。
そのうえで自らも筋の通った意見を述べると、面接官が好印象を抱くことでしょう。

3.集団討論によくある疑問点について

3-1 司会・ファシリテーターを引き受けるべきかどうか

司会やファシリテーターは、実力があれば最も目立つことができるポジションと言えるでしょう。
しかしながら、参加者全員の意見をしっかり聞き自らの意見も考え最後にまとめる、という難役でもあります。
今までにそのような経験・スキルがないと、本番当日に成功することは難しいでしょう。
自信がなければいちメンバーとしてしっかり聞き役に徹し、ポイントで的確な意見を述べた方が無難といえます。

3-2 受験者グループ全体で合否が決まるのか

私は実際に6人グループの集団討論に参加したところ、私を含め3人が最終合格していました。
他の個別面接などもあるので、集団討論だけで「全員受かるか、全員落ちるか」という明確な基準はなさそうです。

しかしグループ全体が上手く討論できているとグループ全員の評価が上がるので、同じグループからの合格者が多くなるのかもしれません。

4.当日使えるテクニック

4-1 いわゆる「クラッシャー」がいた場合

「俺が!私が!」と積極的すぎる受験者や、現実離れした理想論ばかり語る受験者がいた場合、グループ全体の評価が下がらぬよう注意が必要です。
あなたはクラッシャーを制しつつ、グループ全体を建設的な議論に誘導していく必要があります。
このような扱いに困る公務員も実在するため、うまくコントロールできると面接官からの印象は良くなるでしょう。
もしクラッシャーの意見を批判する際は、「Aさんの意見はごもっともですが、こういう懸念があります。そこで、次のような行政フォローを行なうと、とても現実的です」などと、建設的な言い回しにするとよいでしょう。

4-2 地方自治体が大好きな「傾聴力」をアピール

集団討論では、まずは与えられたテーマに順番に意見を述べることが主流です。
その際、他の受験者の発言はメモなどでしっかり覚えておきましょう
もし他の受験者と意見が同じであっても、
「先ほどの〇〇さんの意見と概ね同じですが、こういうところが異なります」
と、前の発言者の意見をしっかり傾聴アピールしたうえで、自分なりの味付けをすると面接官から好感を抱かれるでしょう。
さらに中盤以降で議論が煮詰まってきた頃に、あなたと意見の異なる参加者に対して、
「あなたは先ほどこう仰いましたが、今までの議論を受けて変化はありますか?」
と問いかけると、これも効果的な傾聴アピールになりえます。

4-3 メモ用紙の取り扱い

集団討論にはメモ用紙が机上に用意されており、討論終了後に置いて帰るように言われることがあります。
その場合、必ずメモ用紙を裏返し、メモ内容が見られないように帰ってください。
このマナーは、情報漏洩に敏感な地方自治体では重視されます。
学生の受験者が多い場合には、このマナーに慣れていないことが多いので忘れないようにしてください。
逆に社会人経験者にこのマナーが身についていないと、残念な印象を与えてしまいます。
なお、面接官がメモ用紙のメモ内容を確認している可能性もありますので、迅速かつ丁寧に記入しておく必要があります。
そこで、一般的な「メモのとり方」を練習しておくことも望ましいです。
討論がまとめに入った段階でも気を緩めず、あなたのメモを見返しておくこともお忘れなく。

5.まとめ  「こんな人と働きたい」が分かる集団討論

新型コロナウイルス感染の影響を受けて、集団討論の実施は少数になっています。
しかし今まで述べてきたように、集団討論は受験者の「働く様子」がよく分かる有効な試験です。
優秀な人事課や採用部門を擁する地方自治体では、いつ再開の動きが出てきても不思議ではありません。
新型コロナウイルスへの警戒が弱まる中で、頃合いを見計らっている地方自治体もあるでしょう。
いきなり集団討論が再開されても焦ることがないよう、今回述べたポイントをしっかりお留め置きください。

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