特別区人事院面接の形式と具体的な対策について

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特別区の採用試験は、初めに1次試験として筆記試験が行われ、合格すると特別区人事委員会による2次面接を受けることができます。

そしてそれに合格すると最終合格となり、その後各区の採用面接を受けることになります。

つまり内定をもらうまでには最低でも2回の面接を受ける必要があるということですが、その中で今回は2次試験にあたる「人事院面接」の内容と対策についてお伝えしていきます。

区面接で希望の区から連絡が来る可能性を高めるためにも人事委員会の2次面接は重要となってくるので、受験の際の参考になればと思います。

※本記事は平成29年度特別区1類試験に最終合格された方に取材し、作成しています

2次面接の形式

特別区の2次面接がそもそもどのようにしておこなわれるものなのかを把握していただくために、まず面接の形式等について説明していきます。

特別区の面接時間は受験者1人につき30分間で、面接官3名:受験者1名でおこなわれる個別面接です(ブースごとに面接官がいるため、どのような面接官に当たるかは運です)。

会場は体育館のような広い部屋がパーテーションで区切られた個別の面接ブースが40ほどあり、そこで受験者が一斉に面接を受ける形式になっています。

試験当日に受付を済ませると自分のブース番号が分かるのですが、ひとつのブースにつき受験者3名が振り分けられていて一人ずつ順番に面接をしていくため、自分の順番が3人目であれば1時間以上は待つことになります。

面接ブースには、試験開始の全体アナウンスを合図に各自入室していきます。ブースのため扉はないですが、「失礼します」と一礼してから入室しましょう。

面接室には受験者側にも机が置いてあり、自分のカバンを持ったまま面接ブースに入るので、机の下あたりに荷物を置くと良いでしょう。面接が終わったあとはそのまま外に出て帰路につくという形です。

面接の内容について

簡単に面接形式について説明しましたが、次に面接試験の内容について、面接カード、質問内容、面接の傾向といった3つの項目に分けて書いていきたいと思います。

面接カードの内容

筆記試験に合格すると合格通知とともに2次試験で使用する面接カードが郵送されてきますので、それを事前記入して試験当日に持参し提出することになります。基本的に面接カードの内容に沿って質問されることになるため、しっかりと準備していく必要があります。

平成29年度特別区Ⅰ類試験の面接カード記入事項は以下のような項目となっています。

①あなたの強みは何ですか。それをいかしてどのような仕事に挑戦したいか、特別区の志望動機も含めて具体的に書いてください。※面接の冒頭に3分程度でプレゼンテーションしていただきます。
②あなたが今まで最も困難だと感じた状況を挙げ、それをどのように乗り越えたかを教えてください。
③チームやグループで目標達成した経験について教えてください。そこでのあなたの役割と、独自のアイディア等によってどのようにチームやグループに貢献したか具体的に書いてください。
④最終学歴と卒業年
⑤専攻学科
⑥アルバイト以外の職歴

面接カードはA4サイズ1枚で、①~③の項目の記入欄が大きくなっているため、納得のできるしっかりとした内容を考えておきましょう。

人事委員会の面接では、面接冒頭に自己PRと志望動機についての3分間プレゼンテーションがあることを把握しておいてください。

具体的な質問内容

では具体的にどのような質問をされるのか?というのが気になるところかと思いますので、一例として以下のような質問がされます。

  • ここまでどうやって来たのか
  • 専攻学科ではどんなことをしていたか
  • 公務員を目指したのはいつか
  • 特別区の取り組みで気になったものとその理由
  • 希望でない部署に行くことになったらどう思うか
  • 他にやりたい仕事を理由と共に具体的に
  • 特別区の課題とその解決策
  • 面接カードに書いたこと以外で困難だったこと・チームで活動した経験
  • 強みを発揮した他のエピソード
  • 最近関心を持ったニュースと理由
  • 住民から解決できない苦情を言われたらどう対応するか
  • ダイバーシティ・インクルージョンという考え方について区が何かするとしたら何が出来るか
  • ストレスは感じやすい方か
  • 最後に言い足りないことがあればどうぞ

質問の内容については面接官や受験者の話す内容によって変わってきますので、参考程度にしていただければと思います。

また、地方出身の方や国家や民間など他の試験種を多く併願している方などは、なぜ特別区なのかという志望理由や併願状況(特別区が第一志望かなど)も訊かれる可能性が高いと考えられるので、きちんと答えられるようにしておくべきです。

どのような形で進められるのか

面接は、基本的に3人の面接官が一人ずつ順番に質問してくることになります。

面接の流れは面接ブースにもよるとは思いますが、緊張をほぐさせるための簡単な雑談のあと、冒頭にプレゼンテーションをして、その後人物を見るための質問や区の政策などの質問に入っていくという形が多いと思われます。

基本は面接カードの項目に沿って進んでいくことが多いと思いますが、特別区の場合は面接時間が30分間と少し長めなので、面接カードの内容以外についても聞かれることは想定しておかなければなりません。

公務員を目指した時期や関心のあるニュースなど定番の質問もありますが、その場で考えて自分の意見を答えるような質問もされる場合があります。予め想定していなかったようなことを聞かれても、落ち着いて自分の考えを伝えられれば大丈夫です。

質問内容に関しては、面接カードに書いたアルバイトやサークル活動、学業などのエピソードについての掘り下げ(いつ始めたのか、なぜやろうと思ったのか、どれくらいの規模なのかなど様々)だけではなく、面接カードに書いていない経験を「他には?」という形で質問されることもあり得るので、エピソードは複数準備しておくと安心です。

そのほかにも、自分の性格についての質問や、特別区がおこなっている取り組みや政策、特別区の課題や具体的な解決方法についてなど、特別区についてどれくらい理解しているか、どれくらい勉強しているかを見るような質問もあります。

ただ、区の政策は聞かれなかったという人もいるようなので、そこは面接官次第というところなのかもしれません。

いずれにしても、面接カード+αでいろいろと訊かれると考えておいて良いと思います。

具体的な対策の方法

特別区の人事院面接は、日程が早い人だと1次試験の発表があってから2週間ちょっとで始まります。

志望度が高いならば早めに対策を始めておくに越したことはありません。
ここからは人事院面接の対策でやるべきことについて書いていきますので参考にしていただければと思います。

掘り下げに備えた対策が必要

面接では、話した内容や書いた内容に関して深く掘り下げながら質問されていきます。

特に、自分がなぜそう行動したのか、なぜそう思うのかといった理由の部分を訊かれることが多いです。

特別区Ⅰ類の面接はコンピテンシー型でおこなわれるので、自分の過去の行動や経験について、どのような場面でどのように考えてどう行動したのか、そこから何を学んだことは何か、その学んだことをどういかしていけるか、といったポイントをきちんと考えて(思い出して)おくことが大事になります。

面接カードに書いたことに関する内容は掘り下げられて何を聞かれても大丈夫なように、当時の行動の理由や意志、きっかけ等を思い出しておき、本番で訊かれたとき矛盾なく答えられるように意識して対策することが必要です。

具体的には、例えばアルバイトの話をするとしたら、どうしてこのアルバイトを始めようと思ったのか、そこで気を付けていたことはどんなことか、何が大変だったのか、失敗した経験はあるか、その失敗をどう対処していったのかなど、いろいろな質問が浮かんできます。

このように自分の持っている経験やエピソードについて質問されそうなことを自分で想像して、それに対する回答を考えていくといったやり方で対応できます。

また、周りの人に実際に質問してもらうというのも良いでしょう。

3分間プレゼンテーションについて

次に、特別区人事委員会の面接の特徴ともいえる「自分の強みをいかして特別区でどのような仕事に挑戦したいか」についてのプレゼンですが、ここは気になる方も多いと思います。

これに関しては正直面接官がどの程度まで内容を聴いているのかは分かりませんが、初めの印象は大事ですし最初がうまくいくと気持ちも軽くなるものなのできちんと準備することをおすすめします。

プレゼンと聞くと少し腰が引けてしまうかもしれませんが、自己PRと志望動機を繋げて話すということなのでそれらの準備がきちんとできれば意外とうまく話せるものです。

具体的な対策方法としては、

  • 自分のPRしたい強み
  • 自分がやりたい仕事や挑戦したいこと
  • 特別区でそれをしたい理由
  • その仕事で自分の強みをどういかせるか

といった点についてまず考えて、それらをつなげてプレゼンの原稿をつくっていくのが良いと思います。

3分間なので字数にするとだいたい900字前後が目安です。面接カードにはそのプレゼン原稿を短く編集したものを書けばまとまります。

 

以上の内容を話す順番ですが、一例として、

自分の強み→その強みを裏付けるようなエピソード→特別区を志望する理由と特別区でやりたい仕事→具体的に挑戦していきたいこと→その際に強みをどういかせるか

という流れで話すのもよいでしょう。

必ずしもこの通りである必要はないですが、自分がどのような仕事をしたいと考えているのかを具体的に述べることを意識して、やりたい仕事に関する自分のオリジナルな案などを盛り込むとより伝わりやすくなると思います。

これはプレゼンでも通常の面接でも変わらない考え方ですので、意識するとよいでしょう。

また、自分の強みや志望理由等は、自分自身の何かしらの経験に基づくものであると説得力が増す(やりたい仕事の根拠としての具体的なエピソードが必要)ので、そこはきちんと意識して内容や話す順番を考えていくと良いです。

気を付けるべき点は、難解な言葉を使ったりせずに初めて聞いても分かりやすい内容にするということです。

これはプレゼンに限ったことではありませんが、自分がどんな人間なのかを相手に分かりやすく伝えていく、というところが大事です。

練習方法としては、実際にプレゼンをまわりの人に聞いてもらって客観的な感想を貰うのがおすすめです。

時間は3分間ぴったりでなくても大丈夫ですが、あまり短いと指摘される可能性もあるので3分前後はきちんと喋れるようにしておきましょう。

実際に話そうとすると早口になってしまったり話そうと思っていた内容を飛ばしてしまったりする可能性もあるので、自然にすらすらと話せるように模擬面接や自宅などで練習することをおすすめします。

また、ブースはかなりしっかりと区切られているため、まわりの声が丸聞こえということはありませんが、少しざわついた感じはあるので、大きめの声ではっきり話すことを心掛けるようにしましょう。面接官が抱く印象も良くなるはずです。

話し方に自信のない方は「伝わる」を意識した面接で良い印象を与えるための話し方の記事も併せて参考にしてください。

特別区の情報収集

採用面接において、志望する自治体について知っておくことは不可欠です。以下のようなところで特別区についての情報収集ができますので参考にしてください。

東京区政会館

飯田橋にある東京区政会館では、区政等に関する情報を閲覧したりパンフレットや各区報などを入手したりできます。

特別区人事委員会採用ホームページ

採用試験情報や各区の特色、採用関連イベント等の情報を確認することができます。

23区合同説明会等各種説明会

毎年開催されている東京23区の合同説明会では、それぞれの区が説明会やパネルディスカッションなどをおこなっていて、実際に職員の方と話せたり一度にさまざまな区の情報を入手できたりします。

志望理由のネタ集めや希望区を決める上でも参考になります。予約申し込み制なので、参加したい場合は情報をこまめにチェックしておく必要があります。
そのほかに、特別区の特徴や取り組み、課題や問題点などを把握しておくことで、特別区に対する関心を持っていることを示すことができます。

例えば待機児童問題や空き家問題、放置自転車対策など特別区の主な課題や問題点について、それがなぜ問題となるのか、その問題点についてどう思うか、どう対応していけばいいと思うか、といった自分の意見を整理しておくと面接時にいかすことができると思います。

特別区の取り組みや施策については自分の気になる分野に関連する取り組みを各区のホームページなどで調べて把握するとよいでしょう。

そういった区の取り組みについての感想や改善点等を訊かれるかもしれないので、念のため考えておくことが望ましいです。

街歩き

上に書いた話とも関連しますが、実際に街を訪れて自分の目で見てみるということはやっておいて損はないかと思います。

面接で聞かれる可能性もありますし、区の情報収集や志望理由等のネタ集めにもなるからです。

本格的に街歩きをするのは区面接に進んでからで良いと思いますが、2次面接の前にも自分の志望区を中心に区役所を見に行ったり、やりたい分野に関連のあるところを訪問したりして自分の目で見ておくと印象にも残りやすく、志望度の高さをアピールすることもできます。

また、やはりホームページだけ見るのと実際に街を歩くのとでは感じられるものが全く異なります。

遠方の方は難しいかもしれませんが、近くに住んでいる方はぜひ実際に街を見てみましょう。

まとめ

特別区の2次面接の倍率はさほど高くはないですが、1次試験の結果が良くても最終不合格となってしまうケースもあるためしっかりと対策はしておきましょう。また、最終合格しても順位が低ければ希望している区から連絡が来ない場合もあります。

そのため上位での最終合格を目指す方や、特別区の志望度が高い方はそれなりに対策が必要だといえますが、それでも基本的なところを抑えてきちんと対策をしておけば決して難しいものではありません。

特別区をこれから受験される方にこの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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