「数的推理(判断推理)が面白いほどわかる本」のレビュー

  • 2019年3月14日
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ASK公務員編集部
ASK公務員は「どこよりも価値のある情報を届けたい」という考えから、公務員試験について分かりやすく詳しい情報を発信していくことを心がけています。

2018年にKADOKAWAから出版された、柴崎直孝「数的推理が面白いほどわかる本」「判断推理が面白いほどわかる本」を紹介します。

公務員試験(国家一般職等)に合格した私大文系女子が実際に使ってみたレビューです。

公務員試験における数的処理は、合否を左右する重要な科目です。

そのため過去問をとにかく解くことは欠かせませんが、それだけでは十分な対策といえないため、過去問と合わせて予備校や市販のテキストを利用するのが一般的です。

その市販テキストで有名なものといえば、通称ワニ本と言われる「畑中敦子の数的処理シリーズ」であり、予備校を使わない独学組にも愛用されています。

一方、2018年にKADOKAWAから「数的推理(判断推理)が面白いほどわかる本」が出版されました。

こちらは、大手予備校講師時代の畑中敦子講師に匹敵するほどの人気講師だった柴崎直孝講師の著書になります。
「面白いほどわかる本シリーズ」は大学受験の参考書としても多く出版されているため馴染みのある人も多いかもしれませんね。

今回は、この「数的推理(判断推理)が面白いほどわかる本」が本当に面白いほどわかる本なのか検証してみます。

1.全体のレビュー

本書は、「数的推理が面白いほどわかる本」と「判断推理が面白いほどわかる本」の2分冊になっています。

各項目(分野)について見開き2〜3ページ程度にまとまっており、黒・赤の2色刷りのためにとても読みやすいです(テキストによっては色を多用して、かえって読みづらいものもあるので)。

また、各項目(分野)ごとに、

①重要度(ABC)、②到達目標(「〇〇できるようになる」という表記がある)、③問題と解説、④出典(どの試験で出題されたか)、⑤難易度(5段階)、が表記されています。

特に、①重要度と⑤難易度は、受験生にとって学習の指針になります。著書は長年にわたり公務員試験の数的処理を研究してきた講師なので、信頼がおけます。

全体のボリュームは多いです。1冊やりきろうとすると、けっこうな時間を要します。

ただ、著書も述べていますが、本書は「問題集というより、参考書」です。

その意識で取り組めば苦にならないと思います。数的処理の知識はこれで全てなんだろうな、と思わせてくれるような量と質になっています。

また、たしかにボリュームは多いのですが、受験生と講師(多分、柴崎講師と思われるイラスト)の対話形式で解説が進むので、1つの項目を読むのは大変ではありませんでした。

さて、個人的に本書にハマるポイントは、ところどころに挿入されている「コラム」です。コラムの中には応用問題の紹介などもありますが、大手予備校で人気講師だった著書からの熱いメッセージや、ちょっとプライベートを垣間みられるようなコラムもあります。

どれも受験に役立つ内容になっています(しかも、コラムの数がけっこうあるので、次のコラムが楽しみになります)。

2.「数的推理」のレビュー

第1章の最初の2題が面白いと感じました。

少しネタバレになってしまいますが、「数的推理=数学」というイメージから、数的処理の根底は「推理」にあるということを教えてくれる問題を紹介してくれました。

さて、「数的推理が面白いほどわかる本」は、全16章で構成され、項目は84に及びます。
数的推理だけでここまで網羅しているものはなかなかないのではないでしょうか。

たとえば、私のような私大文系女子(女子に限りませんが)には、「旅人算」と聞いただけで身構えてしまうような受験生も多いと思います。

しかし、本書では旅人算をシチュエーション別に8パターンも紹介して解説しています!もちろん分かりやすいけどシンプルなイラスト付きです。

これを全部解くと、もう旅人算はこわくないどころか、むしろ出題されることを期待してしまったほどです。

こんな感じで、他の分野についても細かく分類して問題・解説を掲載しているが、まさに参考書といえます。

3.「判断推理」のレビュー

「判断推理が面白いほどわかる本」は、全20章で構成され、項目は71に及びます。

判断推理では、表や図を自分で書いて解く必要がありますが、どのようなものを書けばよいのか、しっかりと本書で示してくれています。

判断推理が苦手な人はもちろん、特に得意というわけでなければ、本書をただ目で見て読むだけではなく、実際に手を動かして、表や図をそっくりそのままマネして書いてみるのがよいのではないかと思いました。

本書の後半では、図形についてたくさんの問題・解説を掲載してくれています。

文系だと、図形に苦手意識をもっている人も多いと思います。私も図形が得意とはいえず、本書の1項目を読むのにけっこう時間がかかりました。

分かりやすく丁寧に説明はしてくれているのですが、理解するのに2、3回読みました。

でも、予備校の生講義では自分が理解できなくても、どんどんと次に進んでしまうので、その点ではやはり参考書というのは助かります。

強いて言うなら、図形は動画解説があったらもっとよいのに、と思いました。

ちなみに本書で特に心に残ったのは、判断推理では、「面倒でもすべて書き出す」という作業が大事ということを教えてくれたことです。
「泥臭い作業を面倒くさがらず頑張る!」という著書の激励が心に響きました。

4.ワニ本(畑中本)との違い

「畑中敦子の数的処理シリーズ」と本書との違いは以下のとおりです。

①解説が対話形式なので読みやすい。
②コラムの質が高い。効率のいい勉強ができる。
③合格に直結する頻出問題のみを掲載。問題集というよりは参考書、テキストの色が強い。

参考になれば幸いです。

まとめ

数的処理では、やみくもに過去問を回しても、3回以上回しても、必ずしも実力がつくとは思いません。

たとえば日本史や世界史、専門科目などは体系立てて知識を入れ、それを定着させるために過去問を回していきますが、数的処理もそのようにやるのが一番効率がよいと思っています。

そういう意味で、本書を予備校のテキストのように(予備校のテキストは講義を聞くのが前提なので詳しい解説はありませんが)、知識習得のための参考書として使いながら、過去問を解いていくのが合格への近道だと思いました。

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