この記事の目次
1.はじめに
SPIなどの民間就職試験でも利用される試験をつかった公務員試験を除いては、教養(基礎能力)試験として、人文科学、自然科学、社会科学、文章理解、数的処理などで構成されている試験が課されます。
そして、社会科学の中には、時事問題が出題されることが多く、時事の対策はとても重要になっています。
また、専門科目の中にも、財政学として、昨今の財政事情を問う問題が出るなど、時事要素の理解が重要な問題がでます。他にも、政治制度が変われば政治学、新しい省庁などができたら行政学なども時事要素が絡んだ問題として過去に問われたことがあります。
さらに、教養論文のテーマは、そもそも、時事的なことがフォーカスされます。例えば、令和2年の沖縄県の問題は「テレワークについて」でした。令和2年はコロナ禍となった初年度で、テレワークが増えたことを受けたと言えます。
このように、公務員試験にとって時事は重要です。そこで、本記事では、こうした時事に対応できるおススメの参考書を紹介します。
2.おススメ参考書 ①;『公務員試験の教科書 時事本』
1冊目は、公務員のライトというオンラインスクール予備校が出している時事本です。特徴としては、次の5つです。
・出題カバー率92%以上を昨年たたき出しており、この1冊で時事の出題内容がおさえられる
・豊富な図表とフルカラーで、見やすいレイアウトになっている
・論文を見据えた時事の解説がなされている
・情報という新しい科目の解説もされている
・アプリと連動し、学習した時事の定着ができる(アプリには300問以上収録)
値段は税込1,430円と、1500円を切っています。この1冊とアプリを使い倒せば、かなりの効果を上げることができるでしょう。
一方で、本だけですと、論文を見据えて丁寧な解説が展開されていることから、要するにどこが試験で問われやすいのかという点がぼやけやすいという難点はあるかもしれません。
3.おススメ参考書②;『公務員試験 時事のトリセツ』
2冊目は、公務員試験予備校の老舗であるLECが出している本です。
この本は、全84テーマを解説しています。1テーマは、テーマ内容の解説をした後に、本試験で問われそうな5肢択一問題が収録されています。問題と解説は見開きになっており、見やすいです。
そして、この問題のつくりが秀逸です。
具体的には、公務員試験時事としてよく出る2つのパターンをきちんと想定したつくりになっています。2つのパターンとは、①話題のことだけをストレートに聞く形式と、②時事を理解するのに必要な土台的な知識についても併せて聞く問題形式を指します。
①の例としては、インボイス制度についてで、この話題だけで、5つの選択肢をつくり制度理解を問うています。
②の例としては、マイナス金利解除(2024年3月)です。こちらは、近年の金融政策が振り返られる選択肢が盛り込まれています。
こうして、実践的な問題が配置されているため、アウトプットを意識したインプットができるでしょう。
難点としては、論作文への応用を意図していないこと、2色刷りで文字での情報が多いことです。また、価格が1760円と、紹介する時事本の中では最も高いことです。
4.おすすめ参考書③;『公務員試験をあてる! 時事のまとめ』
3冊目は、LECと並んで公務員試験対策予備校の老舗であるTACが出している本です。
こちらは、税込1,210円と最も安価です。しかし、内容は充実しており、12章140テーマで、ライトの84、LECの82を上回ります。
本の構成は、1テーマ1~2で、そのテーマに関する情報を載せ、ページ下に問われそうな内容を1問1答で収録しています。章末には、予想問題が5肢択一で掲載されています。これらをやり込めば、かなり力がつくかなと思います。
また、重要度のA~Cを大胆につけており、10大出題テーマも掲げていることから、学習単元のメリハリがつく利点もあります(LECの本も重要度はあるのですが、TACとは異なり、Cが少なく、Aが多いので、結局全てをやらないといけないイメージになります)。
他方で、3冊中で最も文字情報だけが多いこと、1問1答はすぐに答えが見えてしまうこと&LECよりは予想問題が少ないことから、自分がきちんとおさえたのかという確認がしづらい点が難点と言えます。
5.おわりに
今回は、公務員試験の時事本としておススメの3冊を紹介しました。
なお、受験生の方の中には、『速攻の時事』が定番ではないのかという思いもあるかもしれませんね。もちろん、同書も優れた本だと思います。ただ、演習が別冊のため、演習を揃えると2500円を超えてしまいます。なるべく安価に同じ効果を得たいと考えるかなと思い、今回は紹介をしませんでした。それだけですので、既に買われた方は、その本を信じてやり込めば大丈夫です。わざわざ、今回の3冊に買い直す必要はありません。
また、3冊のおススメ本のいずれにも、難点がついていて、結局どれが良いのかと迷われてしまう方もいるかもしれません。
そのような方には、自身の状況や志望先というのを加えて頂くと、選ぶ本がよりクリアになるかもしれません。
例えば、「普段からあまりニュースは見ないし、公務員試験対策も数的等に力を入れすぎて社会科学には自信がないよ」という方は、丁寧に解説されているライトの本がおススメです。また、隙間時間を利用しやすい方は、そこでアプリ利用ができるのでおススメです。
他方、国家公務員試験が本命で、時事の複合問題(上記3で②として紹介した形式)に対応した参考書を使いたい方は、LEC本が良いかなと感じます。
TAC本は、今まで、専門科目や社会科学などの学習をある程度してきており、時事知識を追加しておきたいという方には合うと思います。
以上を念頭に、公務員試験の時事本を選ぶと良いでしょう。
なお、究進塾では、受験生のあなたの状況を詳しくお聞きして、おススメの教材を紹介するような形で、無料体験授業を活用することもできます。学習方法に悩んでいらっしゃれば、是非とも一度ご活用ください。