濃度10%の食塩水が200 g ある。この食塩水の家ある重さの食塩水を捨て、それと同じ重さの水を補い、よくかき混ぜる。次に初めに捨てた重さの2倍の食塩水を捨て、それと同じ重さの水を補い、よくかき混ぜたところ、濃度7.2%の食塩水が200 g できた。初めに捨てた食塩水の重さとして正しいのは次のうちどれか。(東京都1997)
1:18g
2:20g
3:22g
4:24g
5:26g
溶質:ここでは食塩の重さ(g)
溶媒:ここでは水の重さ(g)
溶液:ここでは食塩水の重さ(g)
ここでは、溶質+溶媒=溶液が成り立つ。
濃度=\(\frac{溶質}{溶液} \) ×100(%)
まずは最初の食塩水から絵を書いてみましょう。
最初の食塩水は濃度10%溶液200 gなので、下記のようになります。
ここでは、溶質+溶媒=溶液が成り立つ。
濃度=\(\frac{食塩}{溶液} \)×100(%)なので、
10% =\(\frac{食塩}{200} \)×100(%)
これより、食塩は20gとわかります。
溶質+溶媒=溶液より、20+水=200gなので、水は180gだとわかります。
ここで捨てた溶液の重さを X とします。するとこの溶液に含まれる溶質と溶媒の重さは下記のように計算できます。
Xの10%が食塩なので、食塩が0.1X減り、水はX-0.1X=0.9X減るとわかります。
まとめると下記の通りです。
次に同じ重さ(Xg)の水を足すことで、溶液全体の重さは次のようになります。
濃度は濃度=×100(%)より、×100(%)となります。
次に 初めに捨てた重さの2倍の食塩水(2Xg)を捨てるので、捨てる食塩水の溶質、溶液、溶媒は次のようになります。
捨てる食塩水の溶液は2X(g)です。
溶質は溶液に濃度をかけて求めるので、
2X×\(\frac{20-0.1X}{200} \)=\(\frac{40X-0.2X^2}{200} \)
となります。
溶媒は溶液―溶質で求めるので、
2X-\(\frac{40X-0.2X^2}{200} \)=\(\frac{360X+0.2X^2}{200} \)
となります。
残った溶液の内訳と捨てた溶液の内訳は次のようになります。
これと同じ重さの水(2Xg)を補うので残った溶液の溶質溶媒溶液の内訳は次のようになります。
これが濃度7.2%の食塩水200 G になるので、式は次のようになります。
濃度は濃度=\(\frac{溶質}{溶液} \)×100(%)より、
20-{0.1X-\(\frac{40X-0.2X^2}{200} \)}÷200×100(%)
=7.2(%)となります。
これを計算すると、両辺200倍して、(20-0.1X-)×100=1440
左辺を計算して、2000-10X-20X+0.1X2=1440⇔0.1X2-30X+560=0
両辺を10倍して、X2-300X+5600=0⇔(X-20)(X-280)=0
X=20gと280gとなりますが、Xは200gある溶液から最初に捨てた水の量です。200gの溶液から280gも捨てられないので不適切となります。(文章問題で二次関数を解くと、うち1つはあり得ない数値が出てくることはよくあります。)
よって正解は20gの2番とわかります。
溶液の濃度の問題は絵を描いていけば必ず解けます。そして公式も少ないので、数学や理科が苦手な方でもとっつきやすい分野だと言えます。