A からDの4人が、100点満点の試験を受けた。4人の得点について、次のことが分かっている時、A の得点と B の得点を足し合わせた得点はどれか。ただし、試験の得点はすべて整数とし、0点のものはいないものとする。国家専門職(2013)
A の得点は、B の得点の\(\frac{5}{7} \)倍であった。
B の得点は、C の得点の\(\frac{5}{3} \)倍であった。
C の得点は、D の得点の2倍であった。
1: 36点
2: 60点
3: 96点
4: 120点
5: 144点
倍数や比に関する問題です。
特に身構えることなく、文章を数式に起こして、複数種類のある文字を少なくしていくことを考えましょう。
問題文にある条件を見ていきます。それぞれ条件を (A), (B), (C) とおきましょう。
A の得点は、B の得点の\(\frac{5}{7} \)倍であった…(A)
B の得点は、C の得点の\(\frac{5}{3} \)倍であった。…(B)
C の得点は、D の得点の2倍であった。…(C)
それぞれの条件を見ていくと、条件(A) では AとB の得点を比較、条件(B) では BとC の得点を比較、条件(C) では CとD の得点を比較、としていることがわかります。それぞれ A から D まで文字を使って表してみましょう。すると次のような式になります。
A =\(\frac{5}{7} \) ×B…①
B =\(\frac{5}{3} \) ×C…②
C = 2D…③
それぞれの式を見てみると、〇=(△の式)という形になっていると思います。これは、「〇という文字を見たら、その〇にこの式の右辺(△の式)をそのまま代入していい」と言い換えていると思ってください。イメージがつきにくいと思うので実践してみましょう。
③を見てみると、 C という文字を見たら、2 D という文字に置き換えるということを表しています。どこかに C という文字が他にないかなと探してみます。すると②に C を使っている式があります。ここに代入してみます。
B =\(\frac{5}{3} \)×2D =\(\frac{10}{3} \)×D…②’
同様に②’の式を見ると”B = ”の形になっているので、 他に式の中に B という文字が使われている式がないかなと探してみます。すると同様に①にBがあることがわかります。
ここにも B を代入してみます。すると次のようになります。
A =\(\frac{5}{7} \) ×\(\frac{10}{3} \)×D =\(\frac{50}{21} \)×D…①’
それぞれ文字を代入した式を見てみましょう。すると、全て D の文字を使って表されていることがわかります。
よって、 ABCD をそれぞれ何倍かして整数になる条件また問題文に合うような条件に帰着させないといけないことがわかります。
全体的に何倍かするので、 比の形に直してみましょう。A~D分数や共通の文字が入っているので、比の形にすれば比較しやすくなります。
①’, ②’, ③より、
A:B:C:D =\(\frac{50}{21} \)×D :\(\frac{10}{3} \) ×D : 2D : D
比なので分数の形を無くすために21倍すると、
50D : 70D : 42D : 21D
同じく比の形なので全体をDで割り算すると、
50 : 70 : 42 : 21 となります。
4人のテストの点は整数で、0点も101点以上の人もいないので、これが4人の点数として良さそうだとわかります。仮に全体を2倍してみると、A, Bの2人が100点を超えてしまいますし、1.1~1.9倍しても、整数にならない人が出てきます。
問題文より、AとBの得点の和が答えなので、
50 + 70 = 120となります。
よって答えは4番が正しいとわかります。