ある町で ABCD 4市の新聞の購読状況について次のことが分かった。この時確実に言えるのはどれか。地上(2002)
・A紙を購読している家庭ではB紙も購読している。
・A紙を購読している家庭ではC紙も購読している。
・B紙とD紙の両方を購読している家庭がある。
・C紙とD紙の両方を購読している家庭はない。
1:A紙とD紙の両方を購読している家庭が必ずある。
2:B紙を購読しているがA紙を購読していない家庭が必ずある。
3:B紙を購読している家庭では必ずC紙を購読している。
4:C紙を購読しているがA紙を購読していない家庭が必ずある。
5:C紙の方がB紙より多くの家庭で購読されている。
問題文の中に登場する ABCD の命題が書かれています。今回はこれらの片方だけでなく両方を購読しているなどが多数見受けられるので、集合として解釈して問題を解いてみると分かりやすいです。
問題文を例にとって考えています。説明のために問題文に番号をつけます。
・A紙を購読している家庭ではB紙も購読している。…①
・A紙を購読している家庭ではC紙も購読している。…②
・B紙とD紙の両方を購読している家庭がある。…③
・C紙とD紙の両方を購読している家庭はない。…④
①を集合で表してみると、次のようになります。
B紙を購読している家庭の枠の中にA紙を購読している家庭がいるので、A紙を購読している家庭の枠内の どこを指さしてもB紙を購読している家庭の中に含まれていることがわかります。
AにとってのBを包括関係と呼び、Aの条件を満たしているということは、同時にBの条件も満たしていると言えることになります。
②~④も同様に集合で表してみます。
これらの①~④を複合すると次のようになります。
この状態で選択肢を見てみましょう。
「1:A紙とD紙の両方を購読している家庭が必ずある。」
AとDの両方の枠が重なっているところを探してみますが、そのような枠はないようです。よって不適切であるとわかります。
「2:B紙を購読しているがA紙を購読していない家庭が必ずある。」
Bの枠内にあるが、Aの枠外にあるというところを探してみると、図に該当する部分(赤斜線部)があります。
「3:B紙を購読している家庭では必ずC紙を購読している。」
Bの枠内にCの枠が含まれている(包括関係にある)箇所を探しますが、Cの枠はBの枠からはみ出てしまっています。よって包括関係にはないので不適切だとわかります。
「4:C紙を購読しているがA紙を購読していない家庭が必ずある。」
Cの枠からAの枠が含まれていないような、はみ出した箇所を探しますが、AはCと包括関係にあるので特に見当たりません。よって不適切だとわかります。
「5:C紙の方がB紙より多くの家庭で購読されている。」
購読数の多さではここでは判断できません。よって不適切です。
よって正解は2番だとわかります。